中国 空調と炭火が生んだ「見えない毒」 全員一酸化炭素中毒

エアコンの効いた部屋で窓閉めて「焼き魚パーティー」 しかし悲劇に=中国

2025/08/02 更新: 2025/08/02

中国浙江省台州市臨海(りんかい)市で7月中旬、女性3人が自宅で空調をつけたまま、密室で炭火を使って焼き魚を楽しんでいたところ、約4時間後に全員が突然倒れ、病院に運ばれた。診断の結果は急性一酸化炭素中毒だった。

当日は3人がリビングの窓を閉め切り、空調を効かせた状態で炭火焼きをしていた。空気の流れが遮断されたことで、一酸化炭素が室内に充満し、2人が次々に意識を失い、最後の1人も救助しようとした際に倒れた。

一酸化炭素は、炭などが不完全燃焼することで発生する無色・無臭の有毒ガスで、人が気づかないうちに吸い込むと中毒を引き起こし、体内の酸素運搬を妨げる。重症化すると、意識障害や死に至る危険がある。

医師によれば、3人の血中COHb濃度は35%、37.2%、39.4%で、いずれも正常値の10倍以上だった。治療が遅れれば、深刻な脳障害や死亡の可能性があったという。

幸いにも、3人は治療を受けて回復し、神経系に大きな後遺症は残らなかった。ただ、これは今月、浙江省で報告された同様の事故のうち3件目にあたる。

一酸化炭素中毒は、換気の悪い場所で火気や燃焼機器を使うことで発生しやすく、予防には十分な換気のほか、地下室やガレージのような密閉空間では一酸化炭素検知器の使用と定期的な点検が重要だ。

専門家は「夏でも炭火やガス器具を使う際は、必ず換気を行うべきだ」と警鐘を鳴らしている。

 

イメージ画像。(李凌/大紀元)
李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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