パンチェン・ラマ失踪から黄之鋒の投獄まで 中国共産党はいかにして一世代を沈黙させたか
論説
2023年6月、私はチベット亡命政府の拠点であるインドのダラムサラにいた。そこで目にしたある光景が、それ以来ずっと心に残り続けている。そこには、ある幼い少年の写真が印刷されたポスターがいまも至る所に貼られており、30年近くも行方不明のままの子供の存在を世界に思い起こさせていた。その子の名はゲンドゥン・チューキ・ニマ、第11代パンチェン・ラマである。
1995年5月17日、ダライ・ラマによって第11代パンチェン・ラマとして認定されたわずか3日後、中国当局によって家族もろとも連れ去られたとき、彼はまだ6歳だった。
関連記事
中間選挙直前の米中首脳会談は選挙目当ての演出なのか。習近平が抱える国内事情と短期の貿易休戦を読み解き、トランプが「強い立場」から自国の労働者と経済の利益を優先して仕掛けた交渉戦略の意図と背景を論評する
イタリアからインドネシアへの空母譲渡を機に激変する東南アジアの安全保障を解説。中国の海洋進出に対抗するドローン空母構想や南シナ海・太平洋を巡る米中綱引きの最前線に迫ります
AI業界が求める法規制の裏には、過去の巨大産業と同様に市場を寡占化し参入障壁を築く思惑が潜む。真の危機はSF的破滅ではなく「人間の知性や教育の崩壊」であり、法規ではなく現場での向き合い方が問われている
「世界を一つに」という甘い理想は、いかにして支配や画一化へと変質するのか。「八紘一宇」の光と影、そして現代のグローバリズムがもたらす同質化の脅威を鋭く突く。日本の針路を問い直す、必読の論考