英情報局、中国の産業スパイ活動に憂慮

【大紀元日本11月16日】英紙「ガーディアン」は、中国当局は大量の工作員を英国に潜伏させ、産業スパイの活動はますますエスカレートし、英国情報局を悩ませていると報じた。

同紙は「中国の経済発展に伴い、両国の外交と商業関係が強化され続けているが、一方で英国情報局であるMI5は、こうした中国当局による深刻な産業スパイ活動の範囲を確定できず、非常に憂慮している」と伝えた。

英国安全部門のある官僚は、中国スパイは英国の国家安全や、商業、工業などの分野の詳細情報を収集し、随時、中国当局に流していると指摘した。

同紙は反スパイ活動のリスク管理企業・C2iの総裁ジーン氏の発言を引用した。同氏は「中国はハイテク産業と科学技術の研究開発に高い興味を持ち、先進国の企業運営の詳細情報をも欲しがっている。我々が受理した一部の案件から分析すると、イギリス企業の情報技術部門に従事する中国人は、データベースに接触する権限を所持している。これは高い商業リスクを意味する」と警告を発し、中国スパイは集中的に安全と監視技術を狙い、特に民間と軍事上兼用できる設備に興味あるという。

英国政府もこのほど、数件の中国スパイ活動の案件を公表した。それによると2000年と去年2回にわたり、同国で事故死した中国人の身元を確認するために、中国当局は英国に警察関係者を派遣したが、あまりの人数の多さに英国情報局が疑い始め、反スパイ活動を行い、その後中国警察の1人が英国の全国警察ネットワークに潜入したことが発見されたという。

ある英国企業は、ビジネスのために、中国代表団を工場参観に招待したが、実際に工場に現れたのが少人数で、ほかの人たちは皆計画外の英国各地の国防と科学研究施設を視察した。そのため当企業は中国側に異議を申し出たが、貿易許可証を取り上げると脅迫されたという。

評論家らは「ガーディアン」紙のこの報道は、中国共産党との経済関係の確立に急ぐ英国企業に処方した鎮静剤である」と同調した。

(記者・周囲)
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