【モンゴル「草点」便り】馬頭琴伝説

【大紀元日本7月20日】馬頭琴は「草原のチェロ」と呼ばれるモンゴルを代表する楽器です。2本の弦を弓で擦って音を出します。高い音を出すのは女性の弦、低い音を出すのは男性の弦です。日本の子供たちには「お母さんの音とお父さんの音」が協力して、色々な音を出すのが馬頭琴なのですと私は説明して来ました。

日本の子供たちの多くは小学校2年生になると「スーホーの白い馬」で馬頭琴の物語を習います。草競馬で優勝したスーホーの白い馬は、大会を主催した悪い王様によってスーホーから奪われてしまいます。悲しみにくれるスーホーのところへ夜通し走って逃げ帰った白い馬は、王様の追っ手に撃たれた弓矢に傷つきながらもスーホーの家にたどり着くと、「私の体から楽器を作ってください。そうすればいつまでもあなたと共にいることが出来ますから」と言い残して亡くなりました。こうしてスーホーが心を込めて作った伝説の馬頭琴が誕生します。生まれながらに音楽を愛したスーホーの傍に、いつまでもそして私たちと共にいることになりました。

天からスーホーの下に降り立った白い馬はミューズ(ペガサス:天馬)でした。ですから、白い馬はどんな馬よりも速く走ることが出来ましたし、世俗の世界を支配する王様の自由にはなりませんでした。しかし、天界のミューズはこの世の運命によって、一旦は解体され殺される必要がありました。何故でしょうか?天界に鳴り響く音はそのままでは、人々の耳に聞こえない時代を人類は迎えていたからです。天界の音を象った楽器(太鼓や梓弓や笛など)の最初の原型は、神々の黄昏と呼ばれる時代の到来と共に人類にもたらされたのです。

天界の音楽が地上の世界で一旦は解体されることによって楽器が作られ、楽器の音を通じて、現代の私たちが聴くことの出来る地上の音楽になりました。直接天界の音楽を耳にしていた太古の時代の人々に、楽器はもちろん必要ありませんでした。やがて時代は下り、ミューズの神体から受け渡されて作られた楽器が奏でる感覚的な音が、天界の音楽を偲ぶ「よすが」として地球に響き渡るようになりました。神々の手元を離れ、音楽はより感覚的・物質的なものへと下降しました。それは、人間の手によって加工された音楽(楽器)によって、人々と地上の万物の交歓を成し遂げるという課題が、神々から人類へと手渡されたことを意味しています。

白い馬の馬頭琴(大紀元)

「スーホーの白い馬」が語る馬頭琴伝説は、そのことを秘めやかに、物悲しくも美しく教えてくれています。白い馬には名前がありませんでした。ただスーホーの白い馬と語られているだけです。名付けることの出来ない天界の音楽は、天界に帰る神体を地上での運命によって失うことによって、しかし、その天界の音の構成の素材を人類に残す役目を果たし、音楽を愛するスーホーの手によって、「馬頭琴」という楽器に生まれ変わりました。

ですから、「馬頭琴」は白い馬の地上での名前なのです。馬頭琴を奏でてスーホーの白い馬の魂と一体になる時に初めて、天界に今も棲むというミューズのペガサスに出会うことが、誰にでも出来るのです。それはきっといつかの人類の、はるか先の時代のことでしょうけれど・・・。

(ヤポンバヤル)
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