何清漣:陳光誠、高智晟事件に見る中共統治手段の非正当化

【大紀元日本9月2日】最近発生した陳光誠事件及び高智晟事件は、筆者が長年憂慮してきたことを再び裏付ける結果となった。その憂慮とは、政府行為のマフィア化、公権力の私人化、政治暴力の公開化及び普遍化を主な特徴とする政治の変化は既に確かなものとなっていることであるが、この過程は、“統治手段の非正当化”と概括できよう。

中国の政治分野において発生しているこの3つの大きな変化について、その根本的な原因は、90年代に始まっており、中国の経済改革が既に統治階層のエリート集団が公共の財産を掠奪し、利益を得る口実となっていく中で、こうした、極めて不公平な財産分配の局面が、最終的に、社会構造の不正義化をもたらしてきた。そして、中国政府はこのために、統治の合法性の危機に陥っている。 

こうした合法性の危機とは、中国の民衆が、社会主義体制の掠奪性と専制性を自覚することであるが、政府及び官員の行為が、中共が統治を維持するためにかつて高度に依存してきたイデオロギーの神話を破壊したといったほうがよいであろう。その神話の基本的内容は、社会主義国家において、人民は国家の主人であり、国家財産の主人である。中国共産党政府は人民の政府であり、すべて人民のために奉仕するものであるということである。

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