【季節のテーブル】虫めずる秋
【大紀元日本10月6日】お隣の中つ国(中国)では、「闘蟋(とうしつ)」という宮廷起源の遊びが、唐代の昔から男性諸君に連綿ともてはやされて来ました。現代風「闘蟋」用のマニアックな飼育サイトがあって今でもポピュラーです。
サークル仲間が、一秋のチャンピオンを目指して丹精を込めて育てたオスコオロギを持ち寄り、2匹を闘盆(20センチほどの楕円形のリング)に入れて闘わせます。勝ち誇って羽を振るわして鳴く、美しい雄叫びの勇ましい姿を観賞します。ひょうたん型の容器などに、一匹のコオロギを忍ばせ懐に持ち歩いて暖め、鳴く声を聴くという趣向があります。これなど中国流「虫の知らせ」を聞くわざなのでしょうか?
我が中つ邦(日本)では、虫めずるお転婆な姫君がいとすこやかに、平安の王朝物語を生きていらっしゃいました。たくさんの種類の毛虫を集めては蝶にいたる変身の様子を、たいそう不思議にご熱心に研究なさいました。花や蝶ばかりを美しいと、一方だけを賞賛する世の中の風潮を、お姫様は良いことだと思っていらっしゃいませんでした。蝶に変身するまでのもう片方の虫の姿をも合わせ鏡のように知ってこそ、世の中の本質が分かるのだと考えていらっしゃいました。そういう心がけで、出来るだけそれは沢山お集めになって、可愛がって遊んでいらしたのです。
こんな奇特な心をお持ちだった虫めずるお姫様を、時には私たちも偲んで、草むらの虫たちがひときわ美しく鳴く秋の夜長のひと時を過ごしてみたいものです。昆虫少年や少女たちであった頃の日本流「虫の知らせ」が、さっと去来するのに任せて・・・。
(イザヤ・パンダさん)
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