中国臓器狩り:英BBC臓器移植病院潜入取材、当局が「捏造」批判

【大紀元日本10月13日】英国BBCテレビ放送局は9月27日、駐北京BBC記者が、移植患者の家族を装い、中国・天津市第一中心医院の潜入取材の模様を放送、臓器移植は中国では巨大産業と化している実態を伝えた。一方、中国当局の政府メディア新華ネットは10月10日、中国衛生部の報道官の発言を引用し、「一部の海外メディアは、わが国の臓器移植の医療活動を報道する際に、情報を捏造し、悪意にわが国の司法制度を攻撃している」とメディアの名前こそ明らかにしなかったが、今回のBBCの報道を暗に批判した。

BBCの報道はBBCラジオ放送およびBBCニュース中国語版インターネットでも、トップとして報道された。報道の中で、BBCの記者は、父親が肝臓移植を必要としている一般人を装い、天津市第一中心医院を訪れた。病院側から、適合する肝臓の手配は約3週間を要するとし、肝臓移植に掛かる全費用は約94,400米ドル(約1100万)で、臓器の出所は死刑囚であるとの説明を受けた。

営業担当と思われる男性も登場し、日本語でインタビューを受け、死刑囚の臓器を再利用することは、社会貢献であり、良いことであるとの見解を示した。この男性は、死刑囚を処決する時期は10月1日の国慶節の前がピークであるため、病院側は提供臓器の過剰現象まで現れたと示唆、死刑囚の臓器は通常外国患者へ販売していると伝えた。

一方、中国当局の政府メディア新華社のホームページ「新華網」では10月10日、中国衛生部の報道官の発言を報じた。

この報道官は、「一定の影響を持つある海外メディアの記者が患者の家族と扮し、中国のある病院で状況の調査を行ったと称しているが、その記者は、虚偽な人物を捏造、作り上げた発言を報じ、中国での臓器移植に深刻な問題が存在するとの結論を出した。非常に無責任な報道である」と非難した。また、その記者は放送の前日に、この報道官を独占取材し、中国で臓器移植の管理法を実施した後の状況などについて、説明を受けたと述べ、この海外メディアの報道の中で、この内容について触れなかったと強く批判した。

関連記事
台湾の外科医が中国での違法な臓器移植仲介の罪で起訴された。今回の起訴は台湾での2015年の法改正以来、初めて。強制的生体臓器摘出が再燃する中、医療倫理や人権問題が焦点となっている。
12月10日、中国で厳しい弾圧の対象となる気功、法輪功の日本在住の学習者による証言集会が開催された。出席者は中国で家族が拘束されている現状や、自身が拘束中で受けた拷問の実態を訴えた。現在米国在住の程佩明さんもオンラインで参加。程さんは収容中に、拷問を受け、臓器を摘出された実体験について語った。
ドキュメンタリー映画『国家の臓器』が上映された。映画は中共による、生体臓器摘出の実態を描いており、映像を見た観客からは「非常に非人道的な行為だと強く感じた」「もっと多くの人に事実を知ってもらう必要がある」などのコメントが挙がった。
中共による臓器摘出から生還した程佩明さんが真実を告白。暗殺の危機に直面しながらも、真実を語り続ける姿勢に世界が注目し、米国も保護を進める。人権侵害の実態に対する国際社会の連帯が求められている
中国の中南大学湘雅第二病院に勤務していた羅帥宇氏が、不審な死を遂げた。生前の録音から、同病院が臓器移植研究のために子供のドナーを求めていた可能性が浮上。彼の家族は、羅氏が病院告発を計画していたことから口封じされたと主張している。