ファンタジー:個人タクシー「金遁雲」の冒険独白(10-2)
【大紀元日本10月7日】劉は、讃美歌を信者と歌い終えると、少し神経質そうにツカツカとピアノを伴奏している女性信者のところに歩み寄り何やら煩そうな指示を出している。
劉は私のところに戻って来るなり、「・・・すみません・・・いつも同じ楽節で半音ばかり狂うので・・注意しておきました・・」と言うので、「・・・それは・・ホン・シューチェン・・の一節ではないですかな・・いくら科挙の試験に落ちたとして人生に失望したとしても、自らを天王と自称するのはどうでしょうか・・大衆扇動も気になるところですし・・」とうっかり本音を漏らすと、教会内の雰囲気が一挙に緊張した。
気がつくと、神父の劉と信者らが殺気を孕んだ視線を一斉にこちらに投げ掛けている。さすがにかつて清朝軍をさんざんに苦しめた太平天国軍の末裔たちだけあって、押し寄せる迫力には物言わないものがある。
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