自閉症児の親たち、予防接種の拒否権を求める=米アルバニー

【大紀元日本6月21日】米ニューヨーク・アルバニーで今月初め、自閉症の子供を持つ両親や医師、栄養士など100人あまりが集会を開き、国は両親が予防接種を拒否する権利を認めるべきだと主張した。90年代後半に小児科の専門医師が自閉症児と予防接種の関連性を主張する論文を発表し、欧米では一時子供のワクチン接種を控える両親が増えるという現象がみられた。現在でもアメリカ政府は、予防接種を義務付けており、宗教上、もしくは医学的に特別な理由がない限り、全員が受けなければならないとしている。

1998年、小児科専門の医師、アンドリュー・ウェイクフィールド氏(Andrew Wakefield)らが、MMRワクチン(はしか/おたふく風邪/風疹の三種混合)のワクチンを受けた後、自閉症を発症する子供が、少数だが存在すると発表した。その後、多くの研究機関が論文を発表し、MMRと自閉症は関係なしとする意見と、MMRの危険性を指摘する意見とに分かれた。

その後、乳幼児期に接種するワクチンに保存料として水銀が含まれており、その成分が子供の脳神経の発達を妨げる可能性があるという報告があり、一時話題になった。アメリカでは、「自閉症」患者の団体が製薬会社を相手どり、訴訟に持ち込むケースもあった。ワクチンと自閉症の関連性に関する論争は、未だ決着をみていない。

今回アルバニーで開かれた集会は、ニューヨーク下院議員のマーク・アレッシ(Marc Alessi)氏が議会に提出したA5468という議案を支援するのが主旨で、この議案が通過すれば、子供を持つ両親は何らかの哲学的な思想に基づいて、予防接種を拒否することができる。

同集会に参加したカイロプラクターのリン・フリードマンさん(Lynn Friedman)によると、彼女の息子は宗教上の理由から予防接種を受けさせていないと告げると、幼稚園から入園を拒否されたという。フリードマンさんは学校と州保険局を訴えたが、彼女は過去の医療記録を全て提出させられ、ほんの数回、息子が高熱を出した時に子供用感冒薬「Motrin(モトリン)」を飲ませたことがあるのを指摘され、訴えは棄却された。フリードマンさんの息子は、現在私立の学校に通っている。

アレッシ議員によると、子供を持つ多くの親たちが、子供の予防接種を宗教上の理由から拒否するとそれを証明するのにさまざまな困難が伴うという。アレッシ議員は、「医療の選択権は、患者自身、医師または小児科医にある。子供の場合、両親が代わりに医療の選択をするべきで、ニューヨーク州政府が選択するべきではない」と述べた。

(記者=ルイ-ズ・バレンタイン/フランクリン・マッコイ)