【大紀元日本12月30日】「のどが痛いの?じゃ、サルビアのお茶でうがいなさい」「眠れないの?じゃ、ホップとかのこ草のお茶を入れてあげましょう」という風に、ドイツの家庭では小さな症状が出たらすぐに、常備してあるハーブティーが登場します。古くから伝わる薬草の文化が現代の生活にも活きているのです。薬草の権威、M. Pahlow氏のレシピーを参考にドイツのハーブティーをご紹介しましょう。
タイム(絵・前田純子)
今回のハーブはタイム、和名はたちじゃこう草です。タイムはしそ科の常緑潅木で、40cmぐらいに伸びます。原産は南ヨーロッパ、地中海沿岸です。茎と葉の裏側に短い毛があり、葉は4cmから10cm、枝の先に小さなうす紅色の花を付けます。開花は5月から8月頃で、ハーブ用には全草を採取し陰干し、乾燥したら小さく刻んで使用します。
【適用】
タイムは香りの良いハーブで、お茶はさわやかな味がします。薬草としての歴史も古く、すでに古代エジプト、ギリシャ、ローマでは、薬用として、また香料として使われていたようです。アルプス以北のヨーロッパでは11世紀ごろから薬草の文献に現れます。スパイスとしては、脂肪分の多い食品によく合い、肉料理、ソース類、ソーセージ、野菜スープ、きのこ料理などに幅広く使われ、香りだけではなく、消化吸収を助けます。
タイムの主成分である芳香油には、痙攣を抑える作用と殺菌作用があり、主に、肺・気管および胃腸に作用します。タイムのお茶を飲むと、咳、百日咳はおさまり、気管支炎は改善し、喘息の発作は和らぎます。また、年末・年始のご馳走で疲れた胃腸に働きかけて活性化し、消化を促進する効果もあります。
【タイム茶の作り方と飲み方】
タイムハーブ茶さじ1に水250ccを加え、加熱沸騰させた後、茶こしでこして飲用します。咳には蜂蜜を加えて、胃腸の不調には甘味をつけずに、いずれも1日3回飲用してください。
【有効成分】
チモール(50%)、カルヴァクロールなどを含む芳香油と少量のタンニン、フラボノイド
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