中華文明の薀蓄「杏林」

【大紀元日本8月18日】中国においても日本においても、「杏林」という言葉はよく名医の代名詞として使われている。その由来に関して、中国北宋時代に編集された『太平広記』(たいへいこうき)に詳しく記されている。

『太平広記』(第十二巻・董奉)の記載では、「杏林」という言葉は、三国時代の名医であった董奉の故事から出ている。董奉は後漢末から三国時代にかけての東呉の名医で、医術に優れ、卓越した医術で病気をたちまちに治し、高尚な医者として道徳の修養で世に知られていた。董奉と華陀、張仲景は同じように高名であり、「建安の三名医」として称えられた。

後に董奉は豫章の廬山に隠遁した。彼は山中にて耕作をせず、毎日のように病人をみたが、一文も取らなかった。ただ、重病の人が完全に癒ると、董奉はその患者に杏子の樹五株を植えさせ、病状が軽い人の場合は一株を植えてもらった。このようにして数年が過ぎると、植えられた木は十万株になり、一面は盛大な杏の林となっていた。彼は山中の鳥獣をすべて杏林の中で遊び戯れさせたため、木の下には雑草が生えず、まるで鋤で草を取り去ったかのようであった。

▶ 続きを読む
関連記事
研究では、生物学的年齢は生活習慣によって変わることが判明。運動、食事、睡眠、喫煙・飲酒の回避、ストレス管理の5つを改善するだけで、老化を遅らせ、寿命を延ばす可能性が示された。習慣の見直しは何歳からでも効果があるという。
初めての心不全・脳卒中の影に、実は99%以上が共通の4つの兆候を抱えていた――最新研究が示した「見逃しやすい危険信号」と、予防のために今すぐ見直すべき生活習慣をわかりやすく解説します。
人気食材アボカドには、歴史・性の健康・怪我・アレルギー・動物毒性まで意外すぎる秘密が満載。読むほど驚きが続く「7つの知られざる真実」をご紹介します。
数百年前の喫煙習慣が、なんと骨にまで刻まれていた──。最新研究が明かした「骨が語る喫煙の記憶」は、健康観を揺さぶる驚きの事実です。
浜崎あゆみの上海での公演がキャンセルされた後の行動に称賛が集まっている。中共政府の常軌を逸した日本への外交攻撃に巻き込まれたが、今回のトラブルはかえってチャンスを広げる結果となるかもしれない。