フランス紙:「温総理の懺悔録」

【大紀元日本5月27日】歴史を借りて現在のことを隠喩する。本音が言えない中国の政治家らはよくこの「借古諷今」(昔のことを現代に投影して風刺する)の手法で現実を語る。先月、話題となった温家宝総理が中国共産党機関誌『人民日報』で発表した胡耀邦・前総書記を追悼する長文は、多くの中国政治状況ウォッチャーを驚かせた。2012年の政権交代のために中国共産党指導部の内部闘争が炎上するこの時期に、中国のトップ指導者が89年の学生民主運動のきっかけとなったこの改革派人物を追憶する心情を公に語ることは極めて異例だ。背後に隠れたメッセージをどのように読み取ればいいのか。フランス紙『フィガロ』は最近、「中国の権力開放」と題した記事を載せ、温総理の文章についての所見を述べた。

「中国の現役の総理が執筆した文章は、どの国の総理の文章よりも読むに値するものである」。グランジ(A.de La Grange)記者は、温家宝の長文を「まるで一通の懺悔録のようなもので、ところどころに感情がほとばしっている」と書き綴る。

同記事によると、共産党の指導者たちが、口頭または文章を通して自分の観点や自分の精神性などを公開することはめったにない。温家宝首相は、深刻な災害に遭った南方を視察したことにより、過去のことを思い出し、元総書記・胡耀邦を追悼する文章を執筆した。この自然災害により、1986年、貴州で災害視察をした胡氏のことに思いを馳せることとなったのである。

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