プライバシー管理に批判つづくFacebook ボイコット運動も

【大紀元日本6月1日】 世界中で5億人のユーザーをもち、英タイム誌からは「現代人の社交性のDNAを変えた」といわせるほど影響力のある世界最大の社交サイト「Facebook(フェースブック)」は今、その人気と裏腹に、逆風にさらされている。Facebook上の広告をクリックしたユーザーの個人情報が広告企業に送信されていたことが発覚し、ユーザーからさまざまな不満の声が噴出、そのうちの何人かがFacebook 利用の「ボイコット」を呼びかけるサイト立ち上げたのだ。

報道によると、Facebook に広告を出していた企業は、ユーザーの許可なしに実名や年齢、出身地、職業、趣味などの個人情報を収集できる状態だったという。利用規約には本人の同意なしにユーザーの個人情報を第三者と共有しないことを明記しており、明らかに規約違反だった。

Facebookの主な収益は広告収入で、タイムズ紙によれば、同サイトの今年の年商は10億ドル。情報の信頼を持たせるよう、実名でアカウント登録されるのがFacebookの特徴だが、そのオープンさを推し進めることを隠れみのに、プライバシー保護をないがしろにした事がユーザーの不信感を爆発させた。

31日までにFacebookの登録を削除しようと呼びかける「QuitFacebookDay.com(クイット・フェースブック・デー)」が29日に立ち上がり、米国時間31日までに2・7万人を超える人々が参加している。活動を発足したjosephdeeは、「わずか二日間の間に多くのネットユーザーのサインを得た。これはFacebookユーザーが個人情報の処理に不満を覚えているということだ」と話した。

また登録解除のわかりにくさも、ユーザーに不信感を与えている。最近までユーザーだったという米IT関係者ラーボさんは、情報サイト「Wiki-How(ウィキハウ)」でしばらく検索し、やっとFacebookのユーザー登録を完全に解除する方法を探しあてたという。登録解除のボタンは「メニューの下の隠れたところに設置されているから探しにくい」と不満をもらした。

そのほか、Facebookはどのくらいのユーザーがアカウントを削除したのかを公表しない点が、非難されている。具体的な統計数値を提供しないため、現在どれくらいのユーザーがプライバシーの安全を心配し、どのくらいの人数がアカウントを削除したかがはっきりしない。

しかし、マーク・ザッカーバーグCEOが指揮する「世界をもっとオープンにして一つにつなげる」というネット上の社交の楽しさにハマッたユーザーのFacebook中毒性は根強い。ボイコット運動の参加者もFacebook利用者数の0・006%というわずかな数字にとどまっている。

ザッカーバーグ氏は26日、新たなプライバシー設定の機能を強化すると発表した。ユーザーは個人情報の公開範囲を「友人」「友人の友人」「無制限」の3段階に分けられ、アカウント削除も簡素化されわかりやすくなるという。

プライバシー擁護団体「Center for Digital Democracy」のチェスター氏は、「批判を沈静化したいのであれば、同社は進化しなければならない」と米雑誌「eWEEK」に語っている。Facebookの広告主が米国や欧州連合(EU)などの取り締まり当局の調査を受けるようなことになれば、同社にとって大きな損失となる。若干26歳のCEOが率いるFacebookが今後も成長を続けるために、セキュリティ管理を大きく変えていくことが要求されている。

(翻訳編集・李英淑)