このほど、北京にある5つ星の高級ホテルに宿泊した客が「夜ホテルの部屋に戻らなかった」ことをホテル側から問題視され、会員価格の部屋を譲渡した疑いがあるとして罰金「約6万円」を取られたことがわかった。
1泊で3万円以上もする「ヒルトン北京 ワンフージン(北京王府井希尓頓酒店)」を2部屋とり、家族とともに3泊した男性(ダイヤモンド会員)・湯さんの遭遇は本人によるSNS投稿により、ネット上でも話題になっている。
湯さんによると、5月9日、ホテルフロントでチェックインした際、「ホテル滞在期間中に会員特典(部屋料金優待など)を不正に譲渡しない」ことを誓う誓約書へのサインを求められたという。同書類には「不正行為発覚の際には1泊につき500元(約1万円)の差額を請求する」と書かれていた。
予約した通りに宿泊をし、チェックアウトした後、湯さんのもとにホテルから電話かかってきて、「自分が予約した日の夜に部屋に戻らなかったことを、ホテル側は監視カメラを通じて確認した」と告げられたという。
「部屋は自分たちの宿泊用に使った。他人に譲渡したわけではない。自分はただその時は時差の関係で夜眠れず、外出していただけ。昼はちゃんとホテルに戻って休んでいた」
そう説明する湯さんは、「自分が予約した部屋にいつ戻って休むかは個人の自由であり、夜にホテルに戻らなかったからといって罰金を科すのは不合理だ」と主張。そのうえ、「ホテルが客の行動を監視し、プライバシーを侵害した」ことを湯さんは問題視している。
湯さんの訴えに対し、ホテル側のスタッフは「職員が監視カメラ映像を調べたところ、予約した客が夜に戻らなかったことがわかり、会員価格の部屋を譲渡した疑いがあったための処置(罰金)である」と主張。
しかし、湯さんはホテル側の説明には納得していない。そこで湯さんはヒルトングループ宛てに自身の遭遇を訴えるメールを送信したところ、5月25日に返事が届いたという。結果としては、罰金された3000元が返金されたうえ、ヒルトングループから次回の旅行で使える特典ももらったという。
ヒルトンホテルグループの返信文から「北京のヒルトンが設けた罰則には問題がある」とグループのほうでも考えているようだと湯さんはいう。
湯さんの罰金騒動はこれにて一件落着したが、このニュースは、複数の中国メディアが取り上げており、その波紋はまだそう簡単に収まりそうもない。
「ホテルに泊まって監視されるなぞ、ふざけんな」といった批判が殺到している。
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