中国 ホルムズ海峡を回避する「裏ルート」でイラン産原油の輸入継続

2026/03/16 更新: 2026/03/16

報復を恐れ匿名を条件に大紀元(エポックタイムズ)の取材に応じた複数の中国国内の業界関係者やアナリストによると、中国は、イラン戦争で閉鎖のリスクがある世界のエネルギーの要衝、ホルムズ海峡を回避するために設計された代替ルートを通じて、イラン産原油の受け取りを継続している。

これらのルートの一つは、イラン南東部のジャスク港を中心としている。同港はホルムズ海峡の外側に位置する比較的新しい輸出ターミナルであり、軍事的緊張が最も高まる狭い水路を避け、タンカーがオマーン湾で直接原油を積み込むことを可能にしている。

中国・イラン間の石油貿易に詳しい中国の業界関係者は、中国へのイラン産原油の出荷は紛争の影響をほとんど受けていないと語った。

「開戦以来、(中国の)山東省や浙江省の港に到着するイラン産原油は、ほぼ通常通り継続している」と、この関係者は述べた。

同氏によれば、石油の流れが途絶えないのは偶然ではなく、紛争が激化する前に北京とテヘランの間で行われた緊急時対応計画の結果であるという。

「戦争が始まる前に、北京はすでにイラン高官との間で、事態が制御不能になった場合にどのように石油を中国へ運ぶかについて合意に達していた。イランが輸出する原油の大部分は、最終的に中国市場に流れ込んでいる」

同氏はさらに、米国とイスラエルによるイラン攻撃が始まる直前、中国の通商当局が下部組織に対して内部指令を出したと付け加えた。その指示は、イランからの石油供給が完全に遮断されるケースと、ロシアからの石油輸入を大幅に増やす緊急措置を講じるケースの、二つの可能性に備えるよう求めるものだった。

新たな輸出拠点として浮上するジャスク港

関係者は、紛争中に輸出を維持する上で、イランのジャスク港が極めて重要な拠点になっていると指摘した。同港はホルムズ海峡の外に位置するため、タンカーは狭い海峡を通過することなく、直接オマーン湾へと航行できる。

3月13日のXへの投稿で、金融リサーチプラットフォームのグローバル・マーケッツ・インベスター(Global Markets Investor)は、イランの原油輸出量は開戦以来、日量平均約210万バレルに達しており、紛争前の約200万バレルをわずかに上回っていると述べた。

前出の関係者は、増加分の多くはジャスクを含む代替ルートを経由して中国に向かっていると考えられていると述べた。

「世界的にエネルギー価格が高騰し、多くのタンカーがこの地域を避けている中、中国のいわゆる『シャドー・フリート(影の艦隊)』に関連する船舶がオマーン湾で異様なほど活発に動いている」

一部のアナリストは、石油貿易が継続されている背景には、より深い国際情勢上の戦略的な思惑があると指摘している。

ベルギーを拠点とする元中国外交政策学者は、中国によるイラン産石油の購入は、紛争中のテヘランにとって不可欠な経済的生命線となっている可能性があると指摘した。

「中国に流れる石油は、戦時におけるイラン政権への事実上の資金援助となっている。国際社会が勢力拡大と紛争を抑え込もうとする一方で、北京はジャスクのような裏ルートを使ってテヘランへの資金流入を維持している」

同学者は、中国が緊張による世界的な価格上昇を利用して、割引された原油を確保し、戦略的エネルギー備蓄を拡大しようとしている可能性もあると説明した。

「北京は中東紛争における『悪の枢軸』に基づいたエネルギー安全保障ネットワークを構築しているようだ」

中国外交筋に近い関係者は、北京が数年前からイランからの代替石油輸送ルートの基礎固めを始めていたと語った。

同筋によると、中国は内陸の石油拠点ゴレ(Goreh)とオマーン湾のジャスク・ターミナルを結ぶ約1千キロメートルのパイプライン建設を支援した。このパイプラインにより、イラン産原油はタンカーに積載される前にホルムズ海峡を完全にバイパスすることができる。

「現在、大量の原油が封鎖されやすいホルムズ海峡を避け、オマーン湾で直接積み込まれてアジアへ運ばれている」

「これこそが、中国共産党が極限の制裁や潜在的な紛争に対処するために確保しておいた戦時の裏ルートだ」。

同筋は、このプロジェクトは2021年に中国とイランの間で署名された包括的な25年間の協力協定の一環であったと付け加えた。

中国関連の話題に焦点を当てる大紀元の寄稿者です。
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