従業員連続自殺の「富士康」で、火災発生 公表はなし

【大紀元日本6月1日】従業員の連続自殺が起きた台湾資本の中国大手電子部品製造メーカー「富士康」で5月29日夜、火災が発生、少なくとも10人の従業員が負傷し、工場内で手当てを受けたもよう。

台湾各メディアの報道によると、29日夜6時頃、同工場構内B2棟1Fの点検作業中の機械室で、突然火災が発生。現場にいた2百人あまりの従業員が緊急避難した。約6台の消防車が消火作業に当たったという。火は約1時間後に消し止められ、一階の工場設備が全焼したと伝えられている。 

従業員の自殺が続いている同工場では、火災発生当時、工場入り口付近で一部のメディア関係者が張り込みしていた。消防隊の到着後、工場内に強行突入しようとする記者もいたが、警備員にシャットアウトされた。今回の火災で、少なくとも10人の従業員が軽傷を負った、病院に搬送されず、工場内で手当てを受けたという。一部では、マイナス報道に苦しむ工場側が秘密の漏洩を防ぐため、負傷者を病院に搬送しなかったとの見方もある。

工場側と消防隊は火災について、まだ、正式な発表を行っていない。

同社従業員からの情報によれば、火災発生の場所は重要エリアであり、アップルのパソコンと携帯電話を製造するほか、工業用ロボット、電子部品の精密鋳型、光ファイバー用コネクタなどを設計、製造しているという。

今年年初から、同社の深セン工場では13件の従業員自殺事件が発生、うち、10人が死亡、2人が重傷、1人が未遂。

一方、ここにきて、自殺説にネット上で疑問の声があがっている。同社の従業員と名乗る複数のネット利用者から、「自殺者の中には他殺のケースもある。同社の環境・安全警備を担う『環保科』が紀律違反者に厳しい暴行を加えているため」などといった書き込みが行われた。その暴行の現場とされる映像もネットにアップされた。

最近の連続自殺事件への対応のため、「富士康」の総裁・郭台銘氏が、前日に台湾から現地入りしたばかりで、火災発生時、同総裁は工場内にいたとの情報もある。

(翻訳編集・叶子)
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