四川省成都市にある高校「石室中学」三年生の特別クラスでは今年、生徒27人全員がハーバードやケンブリッジ、ロンドンなど欧米の名門大学に合格した。
同クラスは名づけて「ケンブリッジ国際高校授業実験クラス」(以下、ケンブリッジ・クラス)。その授業内容は国内の高校の授業とは異なり、クラスは全部英語で行われる。生徒は商業や経済、その他の科目からも自由に選択できる。
生徒は通常3科目を選択するが、学級委員の曹蔚(Cao Wei)さんは、一度に経済や生物を含む5科目を選んだ。彼は常にトップの成績を維持し、ケンブリッジ大学の留学試験では中国地区で1位の成績を収めた。
曹蔚さんは高校2年生のときに普通の高校から同クラスに編入、ゼロからのスタートだった。自分のことを「おたく」と呼ぶ彼は、普段は家に閉じこもって本を読んだり、趣味に没頭したりして、ほかの人とのコミュニケーションはほとんどなかったという。ケンブリッジ・クラスに入ってからは活発な同級生に感化され、スピーチの才能も芽生え、積極的に社会活動に参加するようになった。
趙思佳(Zhao Sijia)さんは、クラスで最も多くの合格通知書をもらった生徒。英国のインペリアル・カレッジ・ロンドンや米国のエモリー大学を含め、4つの外国の名門大学から合格通知書が届いた。
2009年10月、彼女はケンブリッジ大学の面接を受けた。自信満々の彼女は意外にも試験官の唐突な質問に泣かされ、合格できなかった。「ケンブリッジ大学に拒否されてから、自分は本当に一時、自信を喪失し、方向性を失った」という。後に、ブラウン大学の面接を受けたとき、面接官は彼女に、「発想力は豊かだが、着実な実行力が不足している」との指摘があった。それを契機に、趙思佳さんは地に足を着けて努力すれば、夢は必ず実現できると悟ったという。
心を持ち直した彼女は、一度に米国の十数カ所の大学に受験申請を出した。「高校3年生の一年間で、21回の入学試験を受けた」と彼女は話す。
現在、中国では大卒者の就職難により、多くの学生が海外留学への道を選んでいる。去年一年間で外国へ留学した人数は23万人で、前年と比べて27.5%増加。中国はいまや世界最大の留学生輸出国となり、今年も大幅な増加が予想されている。
同校は四川省の名門校で学校の規模が大きく、高校1年生だけで20クラスある。「ケンブリッジ・クラス」は2008年に開設され、その卒業生全員が英国の上位20位以内、米国の上位50位以内の大学に入学している。
(翻訳編集・叶子)
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