【大紀元日本7月4日】iPod、iPad、iPhoneなどの人気商品を続々と打ち出し、飛ぶ鳥を落とす勢いのアップル社。今や家電業界の覇者となった同社の創始者、スティーブ・ジョブス氏(Steve Jobs)とスティーブン・ウォズニアック氏(Steven Wozniak)はあまりにも有名だが、その影には一人の不運な男性がいた。その名はロン・ウェイン氏(Ron Wayne)で、同社創設に関わったうちのひとり。現在、彼は頻繁にカジノを訪れ、賭博に明け暮れる生活を続けている。
ジョブス氏やウォズニアック氏より20歳年上のウェイン氏は、もともと彼らとゲーム機器企業アタリ(Atari)の同僚だった。1976年、ウェイン氏は2人と共同でアップル社を設立。同社の最初のロゴはウェイン氏のデザインだった。
当時、ジョブス氏とウォズニアック氏はアップル社の株をそれぞれ45%所有し、ウェイン氏の所有は10%だった。しかし、ウェイン氏はアップル社のコンピューター事業のリスクが高すぎることを懸念していた。かつて、別の投資で数千ドルの負債を抱えていた彼は、二度と同じ過ちを繰り返したくなかったという。「私は年も取っていたし、このリスクを背負いきれないと思った。しかし、もし私が慎重でなかったら、今では世界有数の大富豪に仲間入りしていただろう」と話す。
不安になったウェイン氏は、アップル社の会社登録の12日後に市役所を訪れ、共同経営から脱退する手続きを行った。彼が保有する10%の株は、会社が800ドルで買い戻した。もし、ウェイン氏が株を売っていなかったら、彼は220億ドルもの財を築いていたことだろう。
米シエラネバダ州に住むウェイン氏は、現在76歳。地元のカジノでは常連だ。豪邸に住んでいると思われることもあるが、実際は「政府の救済金で生活している。時々、切手や貨幣を売ったりもする」という。「もしアップル社に留まっていたらどうなっていたのかなんて、想像したことはない」と話す。
「人は、自分の状況によって判断を下し、その結果を受け入れるしかない」と話すウェイン氏。ほんの一つの判断が、その後の人生を大きく変える結果となった。
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