中国吉林省で記録的な洪水 化学薬品100万キロが河に流入
【大紀元日本7月30日】中国東北部の吉林省永吉県で7月28日、豪雨により大洪水が発生した。1909年以来の最大規模という。県内の化学製品工場から化学薬品トリメチルクロロシラン(TMCS)が入った大量の鉄製桶が、県内最大の河川・松花江に流された。新華社通信が伝えた。
同県は27日21時から28日12時まで平均降雨量が120ミリの豪雨に見舞われ、県庁付近の最大降雨量は254ミリに達するなど、近年最大の集中豪雨となった。豪雨の影響で、河川が増水し、上流にある新亜強化学工場の倉庫が洪水で倒壊、TMCSが入った鉄製桶が大量に流された。
流されたTMCSの数について、新華社通信は、鉄製桶が1000個あまりで計16万キロと報道しているが、中国放送ネット29日の報道では、吉林省市政府の王明臣・副秘書長が同日の記者会見で、1000桶ではなく、7000桶であると説明した。
現在、政府部門はTMCSの漏えいの有無について調べている最中だという。住民らは飲用水が汚染されることを懸念し、汚染の有無を公表するよう政府に呼びかけると同時に、大量に貯水を行っている。
漏えいしたトリメチルクロロシランが水と混合後に放出したガス(ブログ写真よりスクリーンショット)
トリメチルクロロシランは引火性が高く、火災時に刺激性もしくは有毒なガスを放出する。また空気と混合した場合、爆発性を有する。
2005年にも松花江ハルピン流域で化学工場が爆発し、有毒物質で河川が汚染され、400万人の飲用水が中断される被害があった。
(翻訳編集・高遠)
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