土石流犠牲者を全国追悼 人民日報、主席の満面笑みをトップに 権力闘争説も

【大紀元日本8月17日】甘粛省舟曲県での土石流災害から1週間となった15日、中国では全国で犠牲者を追悼する活動が行われ、死者・行方不明者1700人の冥福を祈った。

各地の公的機関では半旗を揚げ、映画館などの娯楽施設は営業を中止、テレビもニュース番組だけを放映、新聞やウェブサイトもこの日モノクロとなった。

そんな中、全国の哀悼ムードと対照的なのは、人民日報など共産党の

全国哀悼ムードの中の人民日報トップ

代弁者である3紙のトップ記事。大きく掲載された胡錦濤主席の満面の笑みと祝賀ムード満載の写真は、悲痛な雰囲気に包まれるこの日の中国で異様に映った。

「国民が泣いているのに、あなたはよくも笑える」「哀悼日なのに、ここだけは国慶節のようだ」「これこそ中国の政治だ。庶民の命なんて取るに足らない」とネットユーザーは怒りをぶつけた。

一方、一部の識者はこの写真の掲載は故意なもので、胡錦濤主席らのイメージを悪化させるためではないかとの見解を示している。

同写真をトップ扱いした3紙は、共産党機関紙の人民日報、軍事委員会機関紙の解放軍報、中央宣伝部直下の光明日報。3紙ともトップ記事の内容と写真は中央宣伝部によって決められ、共産党が対外的にアピールする声そのものである。

その中央宣伝部を司るのは中共中央常務委員の李長春氏であり、江沢民派の重要人物とされる。今回の哀悼ムードと相容れない胡錦濤主席らの笑顔の写真は、権力闘争の一部であり、江沢民派が胡錦濤派を陥れ、胡派は人民の生死を顧みないというイメージを植え付けるためにわざと載せたのではないかとの説が流れている。

人民日報トップ記事の写真は、かつても党内の権力闘争の分析に使われていた。1971年の国慶節慣例の最高指導部の天安門城楼での写真には、当時後継者とされる林彪の姿がなかったことから失脚説が飛び交い、後にソ連へ逃亡中に墜落したと判明。昨年の同慣例写真には、05年にすでに引退したはずの江沢民前国家主席が胡錦濤主席と並んで映り、権力闘争が党内で熾烈に行われているとの憶測を呼んだ。

(翻訳編集・張YH)
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