Wi-Fiが原因か? 児童たちに頭痛、めまい、疲労感の症状=カナダ

【大紀元日本9月22日】今年初め、カナダ・トロントの北100キロにあるシムコー郡(Simcoe County)の12の小学校で、児童たちの体調不良を懸念した数人の保護者たちが、シムコー学校安全委員会を立ち上げた。保護者らは、「学校で使用されている無線LAN(Wi-Fi)が原因」と主張している。一方、オンタリオ中央教育委員会は、学校での無線LANの使用を継続するという。

保護者らによると、児童たちの症状は頭痛、めまい、不眠、かぶれなどで、週末の体調は良好だが、登校日になると、とたんに発症するという。

安全委員会の代表を務めるロドニー・パルマー氏は、「保護者たちは医者を訪れ、なぜ児童たちの目は問題がないのに頭痛がするのかを聞き、また心臓専門医も訪ねて、なぜ児童たちが学校で息切れしたり、気絶したりするのかを探った」と語った。

パルマー氏は、彼の9歳と5歳の子供に見られた疲労や顔面の高潮、ふさぎ込みなどの症状は、2人が通うマウンテン・ビュー小学校の無線LANによるものだと主張する。同氏は、「心が痛むが」としながらも、無線LANを使う同校へはもう通わせないと話す。

一方、シムコー地域教育委員会の教育官ジョン・ダンス氏は、保護者たちの意見を聴取し、トロント大学の専門家の意見を聞いた結果、無線LANの使用を継続することを決定した。ダンス氏は、子供への影響について、「無線LANが原因だとする証拠はない」と主張する。

ダンス氏によると、小学校が無線LANを導入した4年前、児童らに症状は出ていなかったという。保護者たちからのクレームが出始めたのは、昨年の12月。保護者らは無線LANが導入されてから児童に変化が起きたと主張するが、実際は4年前に既に導入されていたことを知らなかったのだとダンス氏は指摘する。

しかし、無線LANの影響については、注意を喚起する研究結果も出ている。

ハーバード大学公衆衛生大学院の元研究コンサルタント、スーザン・クラーク氏によると、無線LANは電子レンジと同じ周波数のマイクロ波を放射するという。「子供の頭蓋骨は育ち盛りで大人よりも薄いため、マイクロ波の放射を吸収しやすい」と指摘する。

また、元英国軍のマイクロ波の武器研究をしていた物理学者バリー・トロワー氏は先月24日、トロント大学での講演で、「低レベルのマイクロ波でも卵巣にダメージを与え、遺伝子を傷つけ次世代を危険にさらす」と話している。議論の決着には、まだまだ時間がかかりそうだ。

無線LANによる児童への影響について、バンクーバー北教育委員会勤務・特殊教育アシスタントのベン・テイラーさんは、次にように話す。「子供たちの健康におよぶため、すみやかに、真剣に調査する必要があると考える。この新しい分野のテクノロジーに、長期に子供たちが曝される影響について、今から10年後に判明するようなことがあってはならない」

フリーランス記者で母親でもあるファニー・キューさんは、「もちろん、心配している。子供たちの健康に害がないという証明がない限り」と語った。

(ジョアン・デラニー記者 / 翻訳編集・羽後)