流行語で読み取る激変の中国(57)

【大紀元日本10月27日】中国では、世代のことを「~後」と呼ぶ。特に、一人っ子世代の象徴として代表される「80後」(バーリンホウ、80年代生まれ)や「90後」(ジュウリンホウ、90年代生まれ)などがお馴染だ。今回ご紹介する流行語は、中国の様々な社会問題が各世代に与えるダメージに焦点をあてている。

《滅掉》          「絶滅させる」
奶粉滅掉00後,    粉ミルクは10歳未満を絶滅させ、
考試滅掉90後,    試験は10代を絶滅させる。
房価滅掉80後,    住宅価格は20代を絶滅させ、
失業滅掉70後,    失業は30代を絶滅させる。
城管滅掉60後,    都市管理局は40代を絶滅させ、
下崗滅掉50後,    レイオフは50代を絶滅させる。
拆遷滅掉40後,    立ち退きは60代を絶滅させ、
医改滅掉30後,    医療改革は70代を絶滅させる。
2012年滅掉所有後。 2012年はあらゆる世代を絶滅させてしまう。

注釈:
「粉ミルクは10歳未満を絶滅させる」=08年に発覚した「メラミン入り粉ミルク事件」のこと。問題の粉ミルクを飲んだ幼児が結石や腎臓病を患い、社会に衝撃を与えた。

「試験は10代を絶滅させる」=小学校から大学まで、試験は教育の中でもっとも重要視されている。学生・生徒にとって、試験のプレッシャーはかなりつらい。

「住宅価格は20代を絶滅させる」=今日の中国では、マンションがなければ結婚するのは難しい。高騰し続けるマンションのローンに押しつぶされそうなのが20代。

「失業は30代を絶滅させる」=30代の失業は少なくない。扶養家族の多い彼らにとって、失業は深刻な問題だ。

「都市管理局は40代を絶滅させる」=市場で野菜や果物を売っている人たちの中には、専門知識がなく、また年齢制限のために就職ができない40代が多い。政府管轄の「城市管理局」(都市管理局)が、彼らの「不法営業」を取り締まっている。

「レイオフは50代を絶滅させる」=「下崗」の原義は「ポストから外す」。実際はクビになること。

「立ち退きは60代を絶滅させる」=老人にとって住み慣れた家を離れるのはつらいもの。しかし、中国では頻繁に、強制立ち退きが行われ、老人でも例外は認められない。死をもって抵抗する老人もいるほど、強制立ち退きの問題は深刻だ。

「医療改革は70代を絶滅させる」=医療改革によって医療費が高騰し、個人負担額が増加。老人にとってはかなりの痛手だ。

「2012年はあらゆる世代を絶滅させてしまう」=これは、マヤ文明の「2012年地球更新説」によるものか。