<赤龍解体記>(21) 挟撃される温家宝の行方は?(その2)
6月27日、英国を訪問した温家宝は、王立協会での演説で、ふたたび民主自由に言及し、政治改革の必然性を強調。中国の未来像を示した。昨年以来、10度目の政治改革に関する主張にあたる。
注目すべきことは、政治改革などで温家宝と対立していると思われる保守的な胡錦涛も、7月1日の中共建党90周年記念大会での演説で、政治改革をすべきだと主張している。しかし、内実が欠けているため、ただ難局を乗り越えるためにお茶を濁したに過ぎず、在任中には実質的な進展はないと思われる。
一方、温家宝は本腰で政治改革を実現しようとしているだけに、多方面から圧力がかかっており、反作用としてダイナミックな展開になるかどうかが注目される。
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「21世紀は中国の世紀だ」と中国人は気負う。文明史的な視点から見れば、このことばは自惚れの嫌いがあっても、必ずしも過言ではないかもしれない。将来、歴史的事実として証明されるであろうが、中国の台頭およびその影響力の増強は人類文明史の必然のステップであり、歴史の発展の大趨勢である。
中共の権力中枢の中で、温家宝ほど争議多き人物はいない。埒を越えた言論をしばしば放つため、称賛される一方、物議も多くかもしている。
江沢民死去の風聞がなお飛び交う今、各方面の情報を総合して分析すれば、江沢民は確かに危篤状態に陥り、生き返る可能性はほとんどないと断言できる。
中国のことわざに、「石を持ち上げて自分の足を打つ」というものがある。人に損害を与えようとしたが、かえって自業自得になってしまうというたとえである。
来年開催の中共18大まで後1年あまりとなったが、中共の各勢力は昨年から臨戦状態に入り、明に暗に人事の攻防戦を繰り広げてきた。
7月23日の中国高速鉄道衝突事故が起きた後、鉄道省の後手に回った救援活動、安全を無視しつつ早急に運転再開したこと、衝突した車両を壊して土に埋めて証拠隠蔽を図ったことなどにより、一般人のみならず、メディア人も従来の体制維持を最優先するスタンスを捨てて、新聞や雑誌、テレビなどを通じて真相究明を求めつつ、鉄道省の理不尽な救援活動などを厳しく批判している。
前回の<赤龍解体記>は、中国高速鉄道事故でメディアとインテリの造反を取り上げたが、案の定、これらのメディア人は直ちに停職などの処分を受けた。
中国の著名経済学者で、天則経済研究所理事長の茅于軾氏が、7月30日に行われた地方政治と国家のモデルチェンジというシンポジウムで講演を行い、民主、法制、平等、自由などが世界の普遍的価値観であり、当今の世界的潮流であると強調し、中国人で共産主義を求める人はいないし、胡錦涛さえも共産主義を信じているとは限らないと思うと指摘している。
【大紀元日本9月5日】来秋に開かれる予定の中共第18回全国代表大会で、胡錦濤に代わって中共トップに就くと言われる習近平国家副主席について、言論が少なく中共の常套的なものしか示さないため、彼の個性とり