【ぶらり散歩道】ー北海道篇ー 市立小樽美術館

【大紀元日本4月12日】JR札幌駅からエアポート号に乗って約35分でJR小樽駅に着く。ランプがたくさん吊るされているコンコースから駅を出ると、石川啄木の歌「子を負ひて 雪の吹き入る停車場に われ見送りし妻の眉かな」が最初に目に入る。正面の広いだらだら坂(中央通り)を下って、信号二つ目を左折して稲穂十字路を左折すると、右前方に重厚な石造りの建物(旧日銀小樽支店)が見えてくる。その前にある総ガラス張りでシンプルな建物(旧小樽貯金局)の1階が、市立小樽美術館である。

入口の受付先の左側に、中村善策記念ホールがある。ここには、1902年に小樽区花園町で生まれて小樽をこよなく愛した中村の作品17点が展示されていた。中村は「小樽は日本有数の画因を蔵している」と言っているが、海、山、坂と町並みがある小樽を豊かな色彩と独特の画面構成で描いた「小樽港」(1963年)は、強烈なインパクトを持っている。ほかの作品では、何色ものブルーが美しく映える「北海道風景」(1955年)に心が残った。しかし、明らかに函館のハリスト正教会を描いているのに、なぜ「函館風景」と題をつけなかったのか知りたいところだ。中村は1983年、81歳で亡くなっている。

ほかに6人の作家の作品が展示されていたが、私が心引かれた作品は、小竹義夫の「日蝕(網走の丘)」(1963年)だった。

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