共産党幹部16人、指導部に周永康氏の解任を求める公開状

【大紀元日本5月22日】 雲南省の共産党元幹部ら16人はこのほど、指導部宛の公開状を発表し、公安、検察、諜報などを主管する中央政法委トップの周永康書記の解任を訴えた。海外メディアはこの出来事を相次ぎ報じた。

同公開状は既に中国国内のソーシャル・メディアや国外の情報サイトに発表されている。16人は全員、すでに引退した雲南省の中堅クラスの元幹部。

周永康氏は4月に失脚した重慶市元トップの薄煕来氏をバックアップしているとされている。薄氏は「重大な党紀違反があった」として、党内の役職を停止され、現在取り調べを受けている。 一方、情報筋によれば、薄氏夫婦は取り調べのなかで、周永康氏が次期最高指導者・習近平氏を下ろす政変計画の主謀だと主張している。

同公開状は、「周永康氏のその罪と責任を見逃してはならない」と強調し、さらに市民への弾圧に多額の税金を投入したことを問題視している。

同氏が中央政法委書記在任中、国内治安費の予算は1116億ドルに達し、国防費の予算をも超えている。中国問題専門家の間では、「中央政法委は実質上、胡錦濤国家主席と温家宝総理の支配を受けない第二の中央権力体制である」との認識がある。

周永康氏は今年秋開催の第18回党大会で引退する予定だが、同公開状は、「一刻も早く彼を解任することは、国家の今後の方向性を示すメッセージになる」と強調している。

米紙ニューヨークタイムズは16日、「この公開状は周氏の人気のなさと一般市民の政治・経済改革への渇望を表している」と評した。

ロサンゼルスタイムズは書簡提出参加者の趙正栄さんの話として、「周氏と薄氏は中国を毛沢東時代に逆戻りさせようとしている。二人は民族の裏切り者だ」と伝えた。

AFP通信も趙正栄さんの話として、「公開状はすでに指導部に郵送した」と報じた。

一方、一部の報道は、周永康氏の権力はすでに剥奪されていると伝えている。

英紙フィナンシャル・タイムズは先日、3人以上の政府高官および外交筋からの情報として、周永康氏の多くの権力はすでに停止されていると報じた。BBCも報道で同氏の業務はすでに公安部の孟建柱部長に移行されたと伝えた。

中国では、引退前の職権移行は極めて異例なことである。

(翻訳編集・叶子)
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