イラン情勢激変が中国のインフレ圧力増幅 中共の数千億ドルの投資は霧散の危機

2026/03/03 更新: 2026/03/03

アメリカとイスラエルによる空襲でハメネイ師ら上層指導層が壊滅し、イランの政権交代が目前に迫っている。中国共産党(中共)は中東における重要な同盟国を失うだけでなく、安価な石油供給源を再び失うという苦境に直面している。これは中国国内のインフレ圧力を高め、イランに巨額の投資を行ってきた中国国有企業の危機を招く。専門家は、中共当局がイラン変局における「最大の敗者」になる恐れがあると断言している。

米イスラエル連合軍によるイランへの大規模な空襲は現在も継続中である。戦闘開始直後、イランの最高指導者ハメネイ師および後継者として予定されていたナンバー2、ナンバー3を含む、少なくとも48名の軍・政府上層当局者が一挙に殲滅された。残存するイラン軍は、中東各地の米軍基地やイスラエルに対してミサイル攻撃を仕掛け、戦火は拡大している。しかし、指導部が甚大な被害を受けたため、イラン側の反撃能力は極めて限定的である。

国際社会では、米イスラエルの軍事攻撃とイラン国内の抵抗勢力による挟み撃ちにより、現政権が崩壊する確率は極めて高いと見られている。中東の政治秩序が激変する中で、北京当局がイランおよび中東地域に持つ権益は深刻な挑戦を受けている。

台湾の中央通訊社の報道によれば、イランは中国にとって第3位の原油供給国(輸入全体の10%〜13%を占める)である。イランでの軍事衝突は、中国のエネルギー輸入コストとインフレ圧力を必然的に押し上げる。また、中共がイランのエネルギーやインフラ事業に投じてきた1千億ドルを超える投資も、戦火や制裁によって凍結される可能性がある。さらに、米国が「二次的制裁」を強化し、中国とイランの間の人民元決済システムを攻撃する懸念も浮上している。

CNNはデータ分析会社Kplerの報告を引用し、ベネズエラと同様にイランは中国の主要な石油供給源であり、中共は制裁下のこれら産油国と優遇協定を締結していると報じた。トランプ米大統領は、わずか2ヶ月足らずの間に中共の「最も親密な同盟者」であるマドゥロ氏とハメネイ師を相次いで排除したことになる。これにより北京は南米と中東における重要な戦略的パートナーを失っただけでなく、石油サプライチェーンにも大きな打撃を被った。

エネルギー・インフラ投資を専門とするトータス・キャピタル(Tortoise Capital)のポートフォリオ・マネージャー、ロブ・サメル氏は、北京政権が今回のイラン紛争における主要な敗者になるとの見解を示した。中共は経済運営を維持するために原油輸入に依存しているからである。

米シンクタンクのブルッキングス研究所も先日、イラン政権の動揺が中共に与える衝撃について論じた記事を掲載した。分析によると、イランの現政権は北京当局にとって中東における不可欠な戦略的パートナーである。北京が対イラン関係を重視する背景には、主に以下の3点がある。

  1. イランの石油・天然ガス輸出が中国のエネルギー安全保障に寄与していること
  2. イランと米国の対立関係が、本来中国の抑え込みに向けられるはずの米国の注意と資源を分散させていること
  3. イランが、中国による西南アジアでの影響力拡大の足がかりとなっていること

同記事は、イランの石油輸出の約90%が中国向けであり、中国国有企業が継続的にイランのインフラに投資してきたと指摘する。イランは2023年に中露が主導する上海協力機構(SCO)に加盟し、翌年にはBRICSの一員となった。ひとたび政権交代が起きれば、中共当局がイランから得ていた政治・経済的なあらゆる利益が打撃を受けることになる。

中共当局は早くも2016年にイラン当局と「一帯一路」協力協定を締結し、輸送、鉄道、港湾、エネルギーなど多岐にわたる分野で協力を推進し、巨額の投資を行ってきた。

メディアがまとめた資料によると、中国資本によるイランの油田開発への累計投資額は300億ドル以上に達する。そのうち、中国石油天然ガス集団(CNPC)がイラン北アザデガンで建設した油田は2024年に操業を開始しており、中国海洋石油(CNOOC)はレインボー油田(彩虹油田)の株式の40%を保有している。

雲濤
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