「第二の中央」の政法委にメス、指導部による人事刷新

【大紀元日本6月11日】江沢民派の有力後継者である薄熙来氏が今年4月に失脚してから、胡錦濤国家主席と温家宝総理が率いる指導部は、江沢民派が支配する中央政法委の人事刷新に着手している。全国各地の政法委トップが相次ぎ更迭され、「第二の中央」と呼ばれる政法委にメスが入った。

つい最近、江沢民前国家主席の甥である呉志明氏が11年近く務めた上海市政法委トップの座から下ろされた。後任に政法委出身者ではない、上海市党委員会秘書長の丁薛祥氏が任命された。呉氏は先月に行われた市党大会で、市党委員会常務委員にも落選した。

上海市のほか、海南、浙江、チベット、広東、陝西などの省・自治区の政法委トップも相次ぎ更迭され、いずれも党委員会常務委員にも選出されなかった。

中央政法委は公安、検察、裁判所などを主管する中央の政府機関で、絶大な権利を持っており、特にここ10年間、傘下の武装警察部隊は拡大し続けている。政法委はこれまで江沢民派のメンバーに掌握されており、江派が支配する「第二の権力中央」とも言われている。

中国問題の専門家は「政法委の運営は不透明で、公安・検察・司法は中央政法委に私物化されている。幹部の汚職、司法機関の無法行為が氾濫する根源はまさに政法委にある」と指摘した。

今回の人事刷新で政法委畑以外の人が後任に当てられたことから、指導部が政法委の体制を抜本的に変えようとしていると専門家は分析している。今秋の第18回党大会で、中央政法委トップの最高指導部である「中央政治局常務委員会」入りは中止される可能性が指摘されている。

今秋の党大会で、江沢民派は薄熙来氏に、次期中央政法委トップの座を受け継がせようとしていた。しかし、薄氏の元腹心で重慶市元副市長の王立軍氏が今年2月に、米総領事館に駆け込んだ事件が引き金となり、薄氏が党内すべての職務を停止され、取り調べを受けている。その後、同氏と周永康氏が政変を計画していたとの内部情報が相次ぎ明らかに鳴った。

こうした状況下で、江沢民派を抑制するため、胡・温両氏が中央政法委の大規模な整理に乗り出した。

(翻訳編集・叶子)
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