神韻アジア公演で19日、台湾桃園国際空港に到着した神韻芸術団の団員ら(林仕傑/大紀元)
【大紀元日本2月23日】人々の心に息づく伝統的な価値観を表現し、失いかけた中国の伝統文化の復興を目指す神韻アジア公演は20日、台湾の台北国父記念館で幕を開けた。
7年目となる台湾公演にはこの日、大勢の観客が駆け付けた。「中国文化の源を探しにきた」と北京なまりの李さんは話した。「いまの中国社会にはもはや本物の伝統文化がない」。北京の大学に勤める彼は、教え子数人を連れて初日公演を鑑賞した。
昨年の神韻台湾公演は37回行われ約5万5千人の観客を魅了した。呂秀蓮・元副総統や謝長廷・元行政院長(首相にあたる)など各界の著名人も足を運んだ。今年はさらに公演回数が増え、4月2日までの間に46回の公演が予定されている。
神韻芸術団は、祖国を離れた中国人アーティストたちにより創設された。2007年から始めた世界ツアーも、現在では、それぞれ90名ほどで形成された3つの舞踊団・オーケストラが、北米・ヨーロッパ・アジアを中心に展開している。優雅で奥深い中国伝統文化を、古典舞踊と音楽が編み出す壮大で高貴なステージで表現する。
「真の伝統文化には国境はない」。神韻芸術団メンバーの任鳳舞さんはこう語る。世界各地で大きな反響を呼んでいる神韻公演。だが、それが表現する伝統文化の源であるはずの中国ではまだ上演できていない。それどころか、世界各地での公演も中国当局からの妨害を受けている。
中国共産党政権下で、とりわけ文化大革命を経た中国では伝統的な価値観や道徳規準を失いかけている。当局が注力しているのはイデオロギー宣伝であり、神韻が表現する粋な芸術とは異質のもの。神韻公演をめぐって、中国当局はこれまで、スポンサーへの脅迫や圧力、公演会場への嫌がらせ電話、インターネットでの誹謗中傷など、あらゆる手口で阻止に掛かっている。2010年香港公演は1週間前に、技術制作チーム全員の入国ビザ不許可が通告され、公演中止を余儀なくされた事態もあった。
神韻芸術団の本部は米国NYに置かれ、多くの劇団員が米国国民である。その劇団の香港公演中止を受け米議会議員Dana Rahrabacher氏は、「この卑怯なやり方は中国共産党政権の内在の脆弱さを存分に顕した」と当局を痛烈に批判。米名門イーストマン音楽院の教授、バイオリニストのチャールズ・カースルマン氏も当局の妨害に首を傾げる。「彼ら(中国政府)の行いは(公演が伝えている)伝統的道徳理念に背反しているのはわかる。だが、それは両者の世界観の違いに過ぎず、政権に脅威をもたらすことではない」と語った。
2007年から始まった日本公演も度々中国大使館による妨害を受けてきた。主催者側によると、公演会場への脅迫電話や後援団体に対する撤回強要、インターネットなどでの誹謗中傷など手口は様々だという。
今年の神韻日本公演は4月19日~5月1日までに東京、西宮、名古屋、横須賀、福岡で計11公演が予定されている。公演の日本語公式サイト:http://ja.shenyunperformingarts.org/tickets
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