神韻 その善と美

全ての観客を純善・純美の世界へ誘う、神韻公演のステージ(写真:大紀元)

【大紀元日本3月8日】人は誰でも、美を好み、醜を嫌う。美は善であり、醜は不善であるからだ。

そこから帰納的に考えるならば、人間とは本来、美しいものに共感する本質的な善をもっているといってよい。その純粋な善を、成長した後もずっと保持していけたならば、現代社会はもっと道徳性の高い、良好なものになるのだろう。

しかし残念ながら、現代社会のあちこちに病的な不善が存在しているばかりか、いつしかそれが常態化して人々は気づかなくなっている。まるで善悪の逆転現象が起きているかのようだ。悪気はなくとも、人はつい功利的になる。あるいは、人間を取り巻く環境や状況が「ほんの少しだから」と甘くささやいて、不善をなすよう誘惑するのだ。

社会との関係のなかで日常生活を送っている私たちにとって、自発的にその誤りを認識し、道徳的に行動することは容易ではない。

ただし、年に一度ではあるが、本当の善とは何か、美とは何かを知る、絶好の機会がある。神韻世界ツアー公演が、それである。

神韻公演に赴き、会場内に満ち溢れる善のエネルギーを体感した人は、おそらく、経験したことのないような衝撃を受けるであろう。その日から、その人の人生は、大きく変わるのである。

天上世界のステージ

そもそも生命とは何か。唯物論的に言うならば微細な細胞の分裂と増殖の結果であって、そこに精神の作用はない。しかしながら、生命である私たちは、現にこうして善なるものに共感し、美しいものに感動することができる。善や美が宇宙的な価値観であるとするならば、私たちを生んだ母体は、宇宙とどこかでつながっているらしいのだ。

その宇宙は、先年、小惑星探査機「はやぶさ」がサンプルを持ち帰ったように、物質的存在として確かに頭上にある。私たちの肉体もまた水分や蛋白質といった物質でできているから、宇宙と同類であるといって差し支えないだろう。

前置きが長くなったが、宇宙が生命の根源であると言いたいのだ。宇宙には、嘘も不道徳もない。したがって、宇宙から地球に生まれたばかりの新生児は、善そのものであり、輝くように美しい。

神韻公演のステージもまた、そのような天上世界の輝きを放つ、圧倒的な美しさなのである。私たちが神韻公演のステージを目にしたときに感じる心地よさは、実は全く知らなかったものではなく、人間として地球上に生まれる前、宇宙にいたころに本来もっていた「記憶」と理解してよい。

どれくらい前の記憶であるかは説明しかねるが、ともかく、私たちのなかに微かに残っていた「誕生する前の記憶」が、神韻のステージを目にしたとたんに甦り、金色の光となって私たちを包むのである。

中国伝統文化の真髄

神韻の演目は、すべて正統な中国伝統文化に基づいている。

今日、地球上には70億人の人類がいるという。その中でも中国という土地は、人口が特別に多い。当然ながら、人間関係が複雑であるから、そこに社会秩序や倫理道徳を育んでいくことは極めて難しいことになる。

逆に言えば、世界で最も難しい環境であるからこそ、中国に大徳の士が多く生まれ、高度な文化・文明が形成されたと考えてよい。中国がその歴史において、いかに多くの戦乱や混迷の時期を経たとしても、正統な文化が絶えずぞれを修復し、人々を教化して秩序を回復した。中国伝統文化の真髄は、まさにその点にある。

しかし、一つ残念なことを付記しなければならない。中華五千年と言われる歴史を重ねてきた中国伝統文化は、20世紀の後半、わずか半世紀あまりの間に大変な迫害を受け、ことごとく破壊されてしまった。

文化の破壊者は、その罪を隠蔽し自己正当化するために、似て非なる偽文化をつくった。これを中国共産党の文化、すなわち「党文化」と呼んでいる。

党文化は極めて醜悪であるため、人々を正しく教化するどころか、ますます人心を狂わせて、不善、不道徳の毒素をばらまいた。今日の中国社会の惨憺たる状態は、まさに文化破壊の結果に他ならない。悲しいことに中国伝統文化は、ふるさとの中国において、消滅してしまったのである。

文化復興に在外華人結集

中国共産党が、本来尊重するべき自国の伝統文化を「古い迷信」として目の敵にし、これを狂ったように破壊したのはなぜか。

端的に言えば、共産党が信奉する共産主義が外来の思想であるとともに、神仏を否定する極端な無神論、唯物論に基づく上、残酷な暴力的要素を含む思想であるからだろう。

そのような中国共産党の目には、美しく善なる伝統文化が、絶対的な「悪」としか映らなかった。ここに、起こるべからざる「善悪の逆転現象」が生じてしまったことになる。

文化を失った今日の中国人は、歴史上、最も不幸な時代を生きねばならなくなった。

しかし、中国伝統文化は、完全に滅んではいなかった。海外在住の華人や、中国から外国へ移った中国人の有志が、この人類共通の神伝文化を復興させ、世界に広めていこうと結集したのである。

こうして生まれた神韻芸術団は、米国ニューヨークに拠点を置き、毎年、世界巡回ツアーを行っている。神韻の美しさと感動は、民族を越え、人種を問わず、圧倒的な速度で伝播し続けている。世界巡回ツアーに寄せられる観客の絶賛の声が、それを証明しているだろう。

最終目的地は中国

中国共産党政府が怖がっているため、神韻中国公演は、まだ実現していない。

しかし、遠くない将来において、神韻は必ず中国本土で上演される。中国伝統文化に基づく神韻の終着点は、祖国である中国に他ならないからだ。

中国国内には今、本物の伝統文化、すなわち純善・純美の神韻公演を渇望する人々が、あふれている。神韻公演の海外での評判は、すでに中国国内に広く伝わっており、何よりも中国人自身が、善なる心、美しい心を取り戻したいと願っているからである。

残念ながら、今の中国がこのように荒廃してしまったため、外国人から見た中国人が、もともと乱暴で不善であるかのように見られてしまっている。

彼らの名誉のために代弁するが、それは先述したように中国共産党によって伝統文化が破壊されたためであって、中国人が、初めからこんなに荒れ果てていたわけではないのだ。

中国を復興し、中国人を再生させられるのは、正統な中国伝統文化の力しかない。これを演繹すれば、人類全体を復興させるためにも、正統な文化が不可欠ということになる。

神韻は、そのような中国人と世界の全ての人々が、優しい心を持ち、美しい人生が送れるように、あまねく救いの手を差し伸べる。

今年の神韻日本公演は4月。あの光を浴びる時が、今から待ち遠しい。 

神韻劇団の公式ホームページ:http://ja.shenyun.com/

(牧)