【大紀元日本4月24日】医師から施される治療には、ただの気休めの場合もあるようだ。英国オックスフォード大学とサザンプトン大学の研究者らが行った最近の調査によると、英国のほとんど全ての医師が患者に一度は、プラセボつまり擬薬を処方したことがあることが判明した。同調査報告は米オンライン科学誌『プロスワン』(PLOS ONE)で発表された。
無作為に選ばれた783人の医師を対象にオンライン調査を行ったところ、擬似ウィルス感染に対する抗生物質の投薬、不要な診察や血液検査など、薬効を含む「不純な」プラセボを一度は施したことのある医師は97%に上った。12%の医師は、砂糖の錠剤や生理食塩水の注射など、薬効のない「純粋な」プラセボを使用したことがあった。主に患者を安心させるために与えられた。
オックスフォード大学のジェレミー・ホーウィック(Jeremy Howick)博士は「医師は患者をだましているわけではない。擬薬の使用はイギリスで広く行われており、患者の助けになると信じられている」と述べる。
擬薬を用いた治療は世界的に受け入れられているが、倫理的には英国医事委員会の規定に反しており、医師の間でも 意見は異なる。また、ほとんどの医師は、患者をだましたり、信頼関係を損ねたりする場合は擬薬を使うべきでないと回答した。
サザンプトン大学のジョージ・ルイス(George Lewith)教授は「擬薬は身体に生来備わっている自然の鎮痛薬を神経系に放出させる効果がある。批判は見当違いであり、倫理的で効果の高い擬薬を発展させるため、さらなる研究が必要だ」と述べている。
(翻訳編集・緒川)
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