【大紀元日本6月17日】地球温暖化による北極氷原の減少で棲息物が減り、食糧難にさらされているホッキョクグマ。しかし今、科学者は温暖化により北上している病原体を、食糧難より致命的な脅威として指摘する。
米フロリダ州ニューカレッジのダイアナ・ウェバー教授が国際的な研究者を率いてカナダに棲息する98頭のホッキョクグマの免疫システムについて研究したところ、ホッキョクグマの免疫システムは、気温上昇に伴い生息地へと移動する新しい病原体に適応できないことを発見。研究は、脊椎動物中の免疫システムの一部である主要組織適合遺伝子複合体(MSC)のDNAバーコーディングを対象とした。
「北極の気温上昇と共に、以前は存在しなかったか、わずかの数に抑えられていた病原体や寄生生物が検出されるようになった」と同教授は語る。
病原体が温暖化により北極に移動していることは、すでに記録されている。以前は低緯度でしか生存できなかった種が分布範囲を高緯度へと拡大し、病原体や寄生生物を持ち込んでいる。北極の動物の体内には、以前は検出されることがなかったか一般的でなかった多くの病原体が確認されており、ホッキョクグマの生存確率を低下させる可能性があると同教授は警告する。
独フランクフルトの生物多様性・環境研究センターのアクセル・ヤンケ教授は「気候変化の状況によるが、ホッキョクグマは棲息領域を大幅に失うと同時に、体内での病原体は増加するだろう」と予測する。
(記者:Madeleine Almberg, 翻訳編集・市村了)
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