【大紀元日本10月8日】
著者は元毎日新聞社北京支局長。
本書では、中国人が中国人を笑ったジョークがおさめられている。また単にジョークを集めただけでなく、その社会背景などもわかりやすく説明している。
さっそく本書の中からいくつかご紹介したい。
【でこぼこ道】
中国の工場を視察しようと、日本人技師が訪中した。工場は郊外にあり、そこまで現地の中国人技師が運転した。車の性能が悪い上にでこぼこ道で、生まれつき舗装道路しか走ったことのない日本人技師は、すっかり面喰って聞いた。
「この車はいつもこんなに揺れるのかい?」中国人技師は言った。
「冗談じゃない! 走ってるときだけですよ」
解説によると、日本で組み立てられた自動車のことを「原件(ユアンチェン)」といい、同じ日本メーカーの自動車であっても、中国で組み立てたものと区別している。原件とはオリジナルという意味で、「同じメーカーの車でも、モノがよい」と所有者が自慢するという。
日本人が海外でブランド品を買う感覚に似ていると説明されると納得してしまう。国産品のジョークもある。
【メイド・イン・チャイナ】
ある日、東方航空の飛行機が離陸前に技術的な故障が見つかった。そこで、アテンダントが乗客全員に飛行機から降りて修理を待つように頼んだ。
ところが、乗客たちが飛行機から降りて三分しか経たないのに、アテンダントが乗客に再度搭乗するようアナウンスした。ある乗客が「どうしてこんなに早く修理できたの?」と聞くと、アテンダントが「いいえ。修理はできていません。勇敢な操縦士に代えただけです」と答えた。
笑えない・・・。本当にありそうで、笑えないジョークです。
解説では、勇敢な英雄として「雷鋒」が紹介され、雷鋒ネタのジョークも披露されている。
最後にもう一つ。
【国防省=裁判所?】
毛沢東がルクセンブルグを訪れ、閣僚一人ひとりと握手をしていたが、国防長官の前で、首を傾げながら、こう聞いた。
「たいへん失礼ながら、おたくのような小さな国に、そんなポストが必要ですか」。すると国防長官は答えた。「何をおっしゃるんです。あなたの国にも裁判所があるじゃないですか」
裁判所や警官、大きくは共産党に対する中国人の心情がよくあらわれていると思う。ただ、それをジョークにするところがスマート。
マスコミで報道される中国だけでなく、ジョークを通して中国の庶民感覚を知るには格好の入門書といえる。
【大紀元の記事から】
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http://www.epochtimes.jp/jp/2011/07/html/d94980.html
書名 『中華人民笑話国』―中国人、中国人を笑う
著者 辻 康吾
出版社 小学館
価格 1,050円(税込み)
発行年 2008年8月
ISBN 9784093878050
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