【大紀元日本2月5日】著者・加藤氏によると「潜規則」とは使用頻度の最も高い現代用語の一つだという。
潜規則(隠れた規則)が使われ始めたのは2001年1月、ジャーナリストの呉思氏が『潜規則-中国歴史中的真実遊戯(中国史上の真のゲーム)』雲南人民出版社刊 を執筆してからで、呉思氏は潜規則の定義を「明文化されてはいないが、ある集団内で広範に認知され、明文規定以上に実生活を支配するルール」としている。違う言い方をすれば、部外者にはうかがい知れないルールということになる。
加藤氏はこの「潜規則」という言葉をキーワードに、現代中国の状況を読み解いている。
たとえば家族や友人。国家より家族や友人を信用する中国人は、友人や家族のためなら会社や国家が損失をしても友人・家族の便宜をはかるなどはその一例だろう。
また、中国人は面子を重んじるため、面子のためには規則や法律を無視するなども潜規則の一つだ。
しかし一番の潜規則は中国共産党だろう。中国共産党にとって不利益になるものは、たとえ相手が正しかろうが法律に則っていようが、潜規則によってねじ伏せてしまう。
「不当逮捕」「違法監禁」「冤罪」「汚職」「言論弾圧」「闇取引」といった中国共産党政権下での現代中国の問題を潜規則というキーワードで読み解いている。
一つ潜規則をご紹介しよう。これは著者が、ある官僚から聞いた官界出世の潜規則だ。
顔を見せず モノも 贈らなければ 元のままだ
顔を見せるだけで モノを贈らなければ 同じ階級への異動だけ
顔を見せ モノも贈れば 抜擢され 重用される。
このような処世術で抜擢され重用される幹部は、いったいどんな仕事をするのだろうか?
書名 『中国社会の見えない掟 潜規則とは何か』
著者 加藤 隆則
出版社 講談社 現代新書
価格 760円(税別)年 2011年9月
ISBN 978-4-06-288123-4
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