「状況、政府の見解だけ」 ウイグル会議、国際社会の調査求める=天安門突入事件

【大紀元日本10月31日】中国公安当局は30日、北京の天安門広場で起きた車両突入・炎上事件を「テロ攻撃」と断定し、容疑者5人を拘束したと発表した。死亡した3人と合わせ、8人は名前からいずれもウイグル族とみられる。この事件で新疆ウイグル自治区における北京政府の圧政や、少数民族の抑圧された訴求が再び注目されている。

当局の発表によれば、犯行に使われたSUV(スポーツ多目的車)は新疆ウイグル自治区の登録車。車には運転手の男性1人とその母と妻が同乗しており、3人はガソリンに火を付け死亡した。車内からガソリンやナイフのほか、イスラム過激派の教義が書かれた旗なども見つかったという。「暴力的なテロリスト攻撃」「慎重かつ綿密に計画され、組織立った犯行」と当局は結論づけている。

事件発生後、世界ウイグル会議(本部ドイツ・ミュンヘン)は「当局の透明度の欠けるやり方に注目している」とコメントした。同会議のラビア・カーディル議長は30日、中国政府が事実を歪曲し、それを弾圧の口実にするのではないかとの懸念を示した。同会議のスポークスマン、ディルシャット氏は英BBC放送の取材に対し、中国政府はテロの定義に常に「2重の基準がある」と指摘。中国には報道の自由がないため、事件の状況説明は政府の発表だけだ。「国際社会のさらなる調査が必要だ」と同氏は訴えた。

当局が今回の事件を「慎重かつ綿密に計画されたテロ攻撃」と結論づけたことについて、ウイグル人経済学者のイリハム・トフティ氏はドイツ国際放送ドイチェ・ヴェレに対し「ウイグル人と関係あれば、きっとこの結論になると予測していた」と話した。「長い間、新疆にかかわることは、どんな理由であれ、どんな背景であれ、結論はすべてこれ」と政府の発表に不信感を示した。

「どのような理由があって、自分と母と妻とが一緒に、この極端な方法で訴えるのか」「テロではなく、陳情者の焼身自殺により近いのではないか」とトフティ氏は指摘し、当局に事件の詳細と犯行の動機や背景を発表するよう求めた。

トフティ氏は当局の新疆政策は失敗しているとし、「宗教を押さえつけようとすると宗教問題が突出し、民族問題を処理しようとすると、民族関係が悪化する。民衆の不満を封じ込もうとすると、不満が高まり、より公に、より過激な形でその不満が噴出する」と新疆の現状を憂慮した。

(翻訳編集・張凛音)

 

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