チベットの光 (74) 毒入りチベット・バター

【大紀元日本11月15日】ツァアプはこれを聞くと怒りが爆発しそうになった。しかし、周囲の人たちの手前、彼は怒りを飲みこむしかなかった。彼は沈黙を守っていたが、動揺を隠すことはできず、はらわたは煮えくり返っていた。

 彼は思った。このミラレパは何の知識もなく、ちょっとした道理を口にしているだけで、至る所で人を騙し、供養を掠め取っている、仏法の恥だ。しかし、自分のような財産も名望もある、知識の豊富な者が、彼のせいで顔色を失っている。奴の面目をつぶすような、何かいい方法がないものか。

 ツァアプ博士は、ミラレパに対する嫉妬と恨みにとり付かれ、彼の頭の中は自分のことしか考えていなかった。一日中、自らの財産と名利ばかりを考え、ちょっとばかり損をすると、それを倍にして仕返しをし、人からは尊敬され、挫折した経験もあまりなかった。しかし、今では皆の心はミラレパ尊者のもとにあり、彼が尊者の顔をつぶそうと図っても、皆の前で罰の悪い思いをするだけだった。「ミラレパが一日でもいる限り、このツァアプ博士が顔を立てる日はやって来ないだろう」。博士はこう考え、尊者に毒を盛って報復する計画を立てた。

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