人権弁護士高智晟氏の釈放 国内外が習近平政権の対応に注目

【大紀元日本8月6日】 「国家政権転覆扇動罪」で服役中の中国の著名な人権弁護士・高智晟氏(50)は今月7日で刑期を終える。同氏への迫害を命じた中央政法委の前トップ周永康氏が立件、捜査される中、習近平政権は高氏を釈放するのか、国内外が注目している。

親族からは不安の声

大紀元は関係者を取材した。高氏が収監されている新疆ウイグル自治区の沙雅監獄は7月上旬、国内の親族に対し、「釈放するかは最高指導部の許可が必要」と伝えた。その後の連絡はない。

こうした状況の中、兄の高智義さんは1日、居住地の陝西省から汽車・列車を乗り継ぎ、3日間かけて新疆の区都ウルムチ市に入った。「いつでも出獄する弟を迎えられるように」という。

5日、米サンフランシスコ在住の高氏の妻は「夫への迫害を命じた張本人の周永康は失脚したが、夫が真の自由を得られるかどうか、私はあまり希望を抱いていない。中共政権に絶望した」と複雑な胸の内を明かした。

高氏はかつて中国当局に「全国十大弁護士」と選ばれた人物であり、多くの社会的弱者を支援したことから全国で有名になった。2005年10月~12月には3回にわたり、最高指導部に嘆願書を提出し、1999年7月から続いている伝統的な気功・法輪功への弾圧をやめるよう請願した同氏は翌2006年、「国家政権転覆扇動罪」で懲役3年、執行猶予5年の判決を受けた。以降、同氏は幾度も秘密裏に連行、監禁され、家族への監視・脅迫も続いた。こうした状況の中、2009年、その妻は2人の子どもを連れ、東南アジア経由で渡米し、難民として保護された。

2011年12月、同氏に対する執行猶予期間が終わる直前、中国当局は刑を執行するとして、同氏を新疆ウイグル自治区の刑務所に収容した。7日はその刑期満了の日である。

米国務省、英国駐中国大使館、国際人権組織「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は相つぎ、中国政府に対して同氏の予定通りの釈放を求めている。

同氏を支援するホームページfreegao.comでは、釈放を求める署名は20万人に達した。

2008年にノーベル平和賞の候補者になった同氏。中国での法輪功学習者に対する臓器狩り問題の実態を調査するカナダの元政府高官デービット・キルガー氏はかつて、「この地球上もっとも勇敢な弁護士の一人である」と讃えた。

(翻訳編集・叶子)
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