香港抗議デモ現場 煙のない戦場に立つ若者たち

【大紀元日本10月8日】長官選挙制度民主化を求めて9月28日から抗議デモを続けてきた香港の民主派団体と学生。10日の政府側との対話が決定し、「政府が要求に応じるまで現場から退かない」と徹底抗戦の姿勢を見せている彼らだが、連日暴力を仕掛けてくる親中派にどう対処すべきか分からない様子だ。また、警官隊の見て見ぬふり、香港メディアの偏向報道も多くみられ、中国政府が裏で糸を引いていると専門家は指摘する。

「安易に挑発行為に乗らない」「平和抗争」と構えるデモ隊側。連日、現場取材を行ってきた大紀元時報香港支社の記者は、デモ隊の民主派を装った親中派が、仲間と現場で大騒動を起こしたり、警察と激しく衝突したりするなど、「デモ隊の暴力行為」か、と思わせる疑惑の場面に多く出くわした。

フェイスブックでは、目の前で親中派に攻撃され助けを求める学生を無視し、逮捕すべき親中派を離れた所へ逃がすなど、警官の現場対応映像が多数公開された。某警察署内で親中派に「青いリボン」(デモ隊反対のシンボル)が配布され、打ち合わせを行う映像までそろっている。

こうした状況の中、フェイスブックで親中派メンバーの身元追跡、警察との結託疑惑の証拠写真・映像の収集が行われている。

また、多くの香港メディアは、親中派とデモ隊との衝突を、「市民がデモに反対している」と重点的に伝えるなど、中国政府が望む報道を続けている。中には、自宅で事故死した家政婦も、「抗議行動による授業中止で学校への付き添いがないから、死を免れなかった」とデモ隊に責任を転嫁する報道として出ている(星島日報4日付報道)

中国問題専門家は、世論を味方につけようと政府が香港メディアに裏工作を行っているに違いないとみている。

煙のない戦場に立っている若者たちの今後の展開はどうなるのか目が離せない。

(翻訳編集・叶子)
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