【大紀元日本2月13日】如愿(にょげん)とは水府の竜宮にいる女神で、人の願い事を叶えてくれることから「如愿」と名付けられた。水府の至る所に如愿がいるのだが、巡り合えるかどうかは各自の運命次第だと言われる。
かつて4人の男たちが修行の旅に出た。彼らは山を越え、川を渡り辛酸を嘗め尽くし、やっとのことで竜王に会えた。竜王は「あなた方は困難と危険を恐れることなく、道に精進してきた。よって、一人ずつ如愿を賜る」と言い、4名の小女を呼び出し、彼らに同行させた。
その内の一人の男は如愿と一緒に暮らした。願い事は全部叶い、とても快適で満足だった。しかし、数カ月が過ぎたとき、彼は重い病気にかかり、危篤状態に陥った。如愿は言った。「貴方が今まで享受したのは全て前世で蓄積したものですが、貴方はそれをわずか数ヵ月で使い切りました。貴方の幸せはもう底を付いたので、私を帰らせて下さい」。その後、まもなくしてこの男は死んでしまった。
二人目の男も願い事があれば全部叶ったが、それに満足することはなく、真冬にスイカのように大きなライチを食べたいと言い出した。如愿は「山間の渓谷でも一杯になる日があるのに、貴方の貪欲は底なしのようですね。このような贅沢は神様にも決して許されません」と言い残し、躊躇うことなく彼のもとを去って行った。
三人目の男は願い事が時には叶ったり、時には叶わなかったりして如愿に不満を言い出した。如愿は「神の力にも差があり、私の神通力にも限界があります。できる事があれば、できない事もあるのでお許し下さい。ところで話を戻しますが、お空の太陽は昼になると西へ偏り、月は満月になると欠けて行きます。人も満足できたり、満足できなかったりすれば、幸せも長く続くでしょう。貴方は私の姉妹二人が既に去って行った事に気付いていませんか?」この話を聞いた男ははっと悟り頷いた。そしてこの如愿はこの男との暮らしを続けた。
四人目の男は如愿と一緒に暮らしていたが何も要求しなかった。却って如愿のほうが進んで家計を助けたりした。男はいつも眉をひそめて不安そうにしていた。如愿は「貴方の修行は次元が高く、果報者なのです。貴方の全ては天と地、神様に見守られています。願い求める気持ちが全くなく、持っているものは、求めて得たものよりも十倍価値があります。貴方が今使っているのは現在持っている福の果報で、私はただそれの管理に勤めているだけです」と言った。
幾日か経って三人の男たちはまた出会い、各自の境遇を話した。嬉しい気持ちの男もいれば、悲しい気持ちでいっぱいの男もいた。「すでに亡くなった友は、我々の体験を聞けなくて本当に残念だ!」と感慨深く言った。
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