西太后の側近を批判 元国家副主席取り締まりの前兆か

【大紀元日本2月27日】幹部の腐敗を取り締まる中国共産党中央規律検査委員会(中規委)は公式サイトで25日、清朝の西太后の側近を批判する文章を掲載した。「政敵への遠まわしの当てつけ」、「次に失脚する指導部高官をほのめかしている」などの憶測が広がり、早くも江沢民元国家主席の参謀役でもある曽慶紅元国家副主席の名前が浮上した。

批判された清朝の慶親王は、数十年間政権を掌握した西太后の腹心で、外務大臣、海軍トップ、総理大臣に相当する重要ポストに就いた人物。中規委の文章では、慶親王が西太后に仕え媚びを売り、不正な手段で巨額な財を蓄えたなどの内容が書かれていた。

ネット上で「一体、誰を暗示しているのか」とユーザーの書き込みが殺到し、関心を呼んでいる。名前に同じ「慶」の文字のある曽慶紅氏が「最有力候補」として挙げられた。

曽氏は、2008年まで国家副主席を務め、江沢民氏の右腕であった。昨年汚職などの容疑で逮捕された元最高指導部メンバーで、同じく江沢民派の中心人物である周永康よりも党内序列が高い。

厳しいネット監視下にありながら中国国内のネット投稿は削除されていないことから、「ユーザーたちの読みが正しい」という見方が出ている。

豪メディアなどの外国メディアは数年前から、曾氏の息子がシドニーで3200万豪ドル(約30億円)の豪邸を購入したと報じており、一族の不正蓄財は周知されている。

英紙フィナンシャル・タイムズの26日付報道は、一族に近い人物の話として、「曽慶紅家族が次の取り調べのターゲットになる可能性がある」と伝えた。

中国政府系メディアもそれをほのめかす記事を出している。共産党機関紙・人民日報海外電子版は1月末、「周永康よりも大トラ(汚職幹部)が近いうち、取り締まられる」と予告している。国営新華社通信電子版は1月11日習近平氏の発言として「汚職取締りには聖域がない」「上限を設けない」と報じた。

また、今回の文章の西太后は、「江沢民氏を意味する」と解釈されている。世間の関心は早くも曾慶紅氏のバックアップである江氏に集まっている。フィナンシャル・タイムズは、曽氏がターゲットになることは、元最高指導者江氏への宣戦布告ともいえると分析し、「近いうち、政治的な動きが活発化する」と予測した。 

(翻訳編集・叶子)
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