中国の指名手配リストトップの女性元幹部、NY裁判所が審理へ 庇護申請か

【大紀元日本6月10日】中国当局に指名手配されている腐敗官僚の国外逃亡者100人リストのトップ、楊秀珠元浙江省建設庁副庁長(68)を、ニューヨークの移民裁判所は9日午前、米移民法に違反したとして審理を開始した。米海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた。

裁判所は当事者のプライバシー保護要求に応じ、審判を非公開としている。当事者と代理人弁護士からプライバシー免除(Privacy Waiver)を受けたものだけが審判に関する情報を得られる。

報道によると、同裁判所の公開文書から同件が「至急庇護ケース」(Expedited Asylum Case)となることがわかった。代理人弁護士のヴラド・クズミン(Vlad Kuzmin)氏がVOAの記者の取材に対し、楊は難民申請していることを間接的に認めたという。

欧米諸国は中国の一党独裁や悪い人権記録、司法制度における透明性の欠如などを配慮し、長期にわたり中国との犯罪人引渡し条約締結を避けていた。

しかし、ケリー米国務長官が先月の訪中で、中国の王毅外相と会談し、米国を「罪を逃れる楽園」にせず、海外逃亡の腐敗官僚の追跡で中国と協力を強化する意向を示した。

英BBCによると、米当局は今回、移民法に基づいて楊被告を強制送還することができれば、中国政府は海外に逃亡した腐敗官僚を追跡する作戦で大きな進歩を遂げ、国際腐敗対策協力で初の実績となるとの見方もある。

楊被告は2003年に国外へ逃亡し、2億5000万元(約50億円)以上を横領した疑いがあると伝えられている。

(翻訳編集・王君宜)
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