中国伝統文化百景(1)

神話―中国文明の曙光

平成24年に『古事記』編纂1300年を迎え、日本では国家の成立、人類の誕生、天地開闢などがあらためて提起され、多大な関心が寄せられている。

同文化圏の中国でも近年、伝統文化のブームがしだいに高まり、その中で神話伝説への関心度が突出し、関連の研究も優れた成果を多く挙げている。しかし、裏付けとなるような詳細な資料の欠乏、マルクスの史的唯物論などに囚われているため、中国における神話伝説の研究、とりわけ宇宙創成や生命誕生など神話の根本的な問題に関しては、たいてい同じ唯物的次元で徘徊し、諸家の論考に小異はあっても大差はないのである。

しかし、古書などで中国の神話伝説に接すれば、その自然性はきわめて強く、いかにも合理的な存在である。このような現象に対し、従来の論理と解釈では如何にしても腑に落ちないところが多い。そのため、従来の中国神話研究と異なるアプローチを試みることを考え、小文の執筆を思い定めた次第である。

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