メキシコ南部の都市、オアハカ。こちらのホステルで、暖かい日差しを浴びながらカタカタとパソコンを打っています。メキシコの多くの宿では、無料でインターネットを繋ぐことができるのです。日本を出発してから約10日が過ぎ、ここまでメキシコの3つの都市を周ってきました。少しずつ「旅する生活」に身体が慣れてきています。今回は、旅の日常とは一体どんなものなのかをご紹介したいと思います。
2月6日に日本を出発し、最初に訪れた都市はメキシコシティーでした。そこでは、言わずと知れた有名な日本人宿に滞在しました。旅の最初に日本人宿を選んだ理由の一つは、情報収集が沢山できるからです。旅のルート、おすすめ宿、交通手段など、ありとあらゆる情報を共有させてもらえます。また、日本人宿は他の宿に比べて比較的安全であることも大きな魅力です。多国籍の外国人が多い宿では貴重品はロッカーに入れて南京錠をかける等、気を遣うことがとても多いのですが、日本人ばかりだとお互いに安心して、部屋に荷物を置いたまま外出することができます。宿泊費は1泊90ペソ、日本円に換算すると約700円と、現地では破格の値段です。
そこでの私の生活はこのような感じです。毎朝7時に起床してお化粧をします。そして7時半に共有スペースに顔を出し、宿で提供される朝食(パン、コーヒー、おかず1品)を食べながら歓談を楽しみます。その日の行動プランなどはそこで決めます。日中ぶらぶらと出歩いた後は、宿に戻って1時間程ベッドで一眠り。部屋は「ドミトリー」といって、4~10人程の旅人と一緒に同じ部屋で寝泊まりするスタイルです。日が暮れて夜になると、各自適当に夕食をとります。時には、旅人同士がお金を出し合って食材を買い、宿にあるキッチンでガヤガヤと料理を作ることもあります。夕食後は共有スペースで歓談したり、洗濯したり、その日撮った写真の整理をしたり、次に移動する場所の宿やバスの予約をしたりします。日本にいる人たちとも、FacebookやSkypeなどのソーシャルネットワークサービスを使って簡単に連絡を取ることができます。「旅」という言葉はスケールが大きく聞こえるかもしれませんが、その生活は意外にも日本での日常生活と大きくかけ離れてはいません。
しかし圧倒的に違うのが、出会いの多さです。私のメキシコシティーでの生活は、日本人宿での沢山の個性的かつ魅力的な日本人との出会いで、毎日が刺激的で楽しく、充実していました。日本で生活していたら決して出会うことなどなかったであろう人々に、旅をしていると簡単に出会えるのです。
メキシコは寒暖差がとても大きい土地です。昼間はポカポカ陽気で半袖でも出歩けますが、夜になるとグンと冷え込み、長袖長ズボンを身につけていないと寒くて目が覚めてしまうほどです。また非常に乾燥しており、日本では特に使うこともなかったリップクリームがここでは必需品です。風邪を引かないように注意して、次はキューバに向けて東へと進んでいきます。
(田中美久)
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