南シナ海問題における中国指導部の三つの勢力=米誌

米誌「外交政策」の電子版は6月23日、南シナ海問題に関して中国指導部内部では、現実派と強硬派と穏健派の三つの意見に分かれているとの評論記事を掲載した。同記事は、米政府が南シナ海において強硬派の意見が中国指導部の国策だと誤解すれば、米中関係および双方の意見交流にマイナスの影響を与えるとの見解を示した。

タイトルが『南シナ海における中国内部の闘争』である同評論記事によると、現実派は中国指導部の現在の南シナ海政策は合理的で、修正の必要はないと考えている。現実派は現在の政策では国際社会における中国の評判が悪くなると認識しながらも、中国が南シナ海から利益を獲得することが最も重要だとしている。

強硬派は、現在七つの人工島の存在感を強化し、南シナ海での領土と軍事力を一段と拡大すべきだと認識している。中には一部の島を軍事基地にしてから、フィリピンなど他の国が掌握している周辺の島々を征服すべきだと考える人もいるという。

穏健派は、中国は南シナ海政策を修正すべきで、現在その地域における領土拡大と軍事力拡大の政策が原因で、国際社会は中国への信頼を失いつつある。同地域における中国の強硬な行為によって、米国と東南アジア各国を中国の対立側に押しよせると考えている。

同記事では、米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)は、中国指導部における穏健派の政策決定権が高められるよう、また南シナ海政策をより平和的、より協力的な方向に変えるよう、有利な条件を作らなければならないと提案している。この三つの派閥のうち、強硬派だけが軍事的な覇権を求めており、米国政府がこれが中国の国策であると誤解すれば、双方の意見交換や対話に障害を与えることになると指摘した。

過去複数の海外メディアが、中国が南シナ海で石油採掘や飛行機の滑走路建設を行ったのは党内江沢民派閥強硬派が関係していると報じたことがある。

6月初め、習近平国家主席は米中経済戦略対話の開幕式において、「米中双方が相互尊重と協力互恵、衝突せず、対立せずとの原則を堅持しなければならない」、「浮雲に視界を遮られないようにし、誤った戦略判断を回避すべき」と発言した。

(翻訳編集・張哲)

 

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