満寄洞(岡山県新見市)は、昭和初期、歌人・与謝野晶子が「奇趣に満ちた洞」と詠んだことから満寄洞と呼ばれるようになったそうです。洞内で映画のロケが行われたことでも有名です。洞内に入るとそこはまるで別世界! まさに悠久の時の流れを感じ、自然が作り出したみごとな景観にしばらくの間、見入ってしまいます。
鍾乳洞の中はひんやりと気持ちが良く、ゆっくりと奥の方へ進んで行くと綺麗な配色のLEDライトが灯り、とても幻想的。洞内は総延長450m最大幅25mで無数の氷柱、カーテン、洞穴珊瑚が素晴らしい形を演出しています。泉水と言う地底湖には人々の願いがこめられコインが投げ入れられています。「イタリアの『トレビの泉』のよう」と思いながら、後ろ向きでコインを1枚投げ入れてみました。石灰岩と水が作り出した自然の美しさをゆっくり観ることができ、時間が過つのを忘れてしまいます。
駐車場の横に満寄洞観光ドライブインがありランチメニューは「ホルモンカレー」「白桃、ピオーネカレー」などがあります。暑い季節にはおもしろい形のバクダンキャンディーも楽しめるそうです。車で近辺を移動すると「そば道場田舎屋」というそば屋を見つけました。お店の雰囲気が良かったので、おもわずカメラで店内をパチパチと撮っていると奥から、優しそうな店主が出て来られ詳しく話をしてくださいました。この辺は昔から米は作れないので稲作の代わりに小麦や野菜、たばこ、そしてそばの栽培が盛んだったそうです。昔、武士はそばをつまみにして酒を呑み、家庭では来客時のもてなしにそばを振る舞っていたそうです。また、ここ草間台のそばが出雲に伝わり出雲そばになったそうです。「勉強になりました」とお礼を言い、具がたくさん入ったけんちんそばを注文しました。昔の人は忙しい時にけんちん汁の中にそばを入れて食べたそうです。食事をした後はすぐに仕事に出ることができ、そばと一緒に野菜、鶏肉なども食べることもでき時間の節約になったそうです。聞いて「なるほど、また一つ賢くなった」と頷きながら美味しくいただきました。
満奇洞へのアクセスはJR伯備線井倉駅から満奇洞行きバスで40分、終点で下車。中国自動車道北房ICから車で約20分です。時間を忘れてのんびりしたい時、心を癒やしてくれる満寄洞を訪れてみるとよいかもしれませんね。
(文・写真/まさ惠)
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