耳と鼓膜を持たないクモも音が聞こえる

アメリカ・ニューヨーク州のコーネル大学(Cornell University)脳科学者ロナルド・ホイ(Ronald Hoy)教授が率いるチームの研究で、クモはがなくてもを聞くことができると発表しました。この発見は科学者たちに驚きと喜びを与えました。

米紙「ワシントン・ポスト」の報道によると、チームはハエトリグモ(jumping spider)の大脳機能を研究した際、クモは非常に敏感に感覚を受ける毛で音を感知し識別することを発見しました。チームは、音の信号を毛が感知すると神経インパルス信号が出されて、人間でいう「聴覚」になると分析しました。さらに、ハエトリグモの身長の350倍(約半径3メートル)離れたところにある音を認識できることもわかりました。

 

ハエトリグモ(「細胞」誌のスクリーショット)

 

クモは鋭い視覚によって距離を判断し、捕食や敵を回避したりするが、耳と鼓膜を持っていないため、聴覚はないと研究者たちは認識していました。しかし、今回の発見は今までの知識を覆し、ハエトリグモは音が聞こえるだけでなく、音の違いをも識別できるとチームは強調しました。

ホイ教授の教え子で生物学者ギル・メンダ氏(Gil Menda)とチームは「当代生物学(Current Biology)」に掲載した論文で、ハエトリグモの天敵であるの羽音を聞かせると、敵に反応する動きがすぐに現れました。すなわち、ハエトリグモはすぐに「じっとしていて動かない(フリーズした)状態になった」と示しました。

 

ハエトリグモの毛髪(「細胞」雑誌のスクリーショット)

 

メンダ氏は「この聴覚現象はハエトリグモだけにあるのではなく、現在、他に5種類のクモにも同様な機能を持つ毛があり、音を識別できる」と話しました。

チームは、クモが持つ超繊細感知感覚機能をさらに研究し、将来はマイクロロボットやより繊細なマイクロフォーン、助聴器の製作など人々に役立つことができると考えています。

(翻訳編集・豊山)