6月のある土曜日の午後、オレゴン州に住む蜂の管理者、ファラ・キングさんが温室で作業台を整理していると、困っている一匹のメスの蜂に気づきました。
「その蜂はとても大きな音でブンブンと鳴いていて、明らかに苛立っている様子でした」とキングさんはThe Epoch Timesに話しました。「すぐに、彼女が古い蜘蛛の巣に絡まっていることがわかりました」
キングさんはすぐに蜂を助けようと思い、近くにあった木の棒を手に取り、その蜂がどうなっているのかを慎重に確認しながら、絡まった巣から解放しようとしました。
「彼女の翼がとても繊細なので、傷つけてしまわないか心配でした」とキングさんは言います。
キングさんはその蜂を自分の養蜂場の近くにある巣箱に連れて行きました。
「どうなるかわからない賭けでした」と彼女は言います。「その蜂たちが助けてくれるのか、無視するのか、攻撃してくるのか全くわかりませんでした。でも、助けてくれることを祈っていました」
その後、キングさんを「驚かせ、感動させる」出来事が起こりました。
巣箱の入り口から6匹の警戒心の強い蜂が出てきて、その蜂を取り囲みました。そして、彼らは舌や小さな脚を使って協力し合い、10分以内に蜘蛛の巣を取り除いたのです。
「まさに奇跡のようでした」と、コロンビア川沿いのアストリアに住むキングさんは語りました。
蜂たちの行動を振り返って「深いメッセージ」
この特別な夏の日に蜂たちが見せた行動について振り返りながら、キングさんはそれが「深いメッセージ」を伝えていると感じました。
「蜂はこのようにして一体感を示し、それが人間にも通じる意識だと思います」と彼女は言います。「自分の群れに属していなくても、蜂は常に全体のために働きます。それは本当に美しいメッセージです」
キングさんは、この出来事を収めた動画を自身のSNSで共有し、それが広く拡散しました。蜂たちの優しい行動に感動した多くの人々が、キングさんに感謝のメッセージを送りました。
「とても心温まる反応がたくさんあり、愛情に満ちたメッセージを受け取って、本当に感激しています」と彼女は話します。
蜂の管理者として、キングさんは蜂たちの行動を観察することで多くのことを学びました。彼女によると、蜂はとても「不思議」で「好奇心旺盛」な生き物です。蜂はコロニー全体の利益のために、個々でなく一つのチームとして動いています。
「彼らは全体の利益のために協力し合い、働き蜂が互いに体を掃除している様子をよく見かけます」と彼女は言います。「また、蜜を舌で交換し合い、それをハチミツに変えていきます」
さらに興味深いのは、蜂が自分たちの巣を常に清潔に保つために協力して働いていることです。
キングさんは、民間の薬草療法士であり、超音波技師でもありますが、養蜂を本格的に始めたのは2014年からです。最初は伝統的な養蜂方法に苦労しましたが、その後「蜂を大切にする」自然養蜂に出会い、学びながら技術を身に付けました。
小さな生き物である蜂に深い愛情を持つようになったキングさんですが、刺された経験から蜂を怖がる人がいることも理解しています。彼女は、ミツバチは人を刺すことを望んでいるわけではなく、巣を守るために刺し、刺した後は命を落とすことを説明します。
「彼らは自分の命を犠牲にしてでも、巣と仲間を守ろうとするんです。それは本当に美しく、献身的な行為です」とキングさんは語ります。
ビデオ:
(ファラ・キング提供)
(翻訳編集 華山律)
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