米スタンフォード大学、臓器収奪のドキュメンタリー上映会

米国のスタンフォード大のベッテル国際センター(Bechtel International Center)で14日、国際的な賞を受賞したドキュメンタリー映画「人狩り(Human Harvest)」の上映会が行われた。上映会には、医療関係者や法律関係者、社会学関係者ら数十人が足を運んだ。

映画の内容は、専門の国際調査団が、中国の収監者が本人の許可なく、生きたまま臓器を摘出されており、収容所は臓器移植用の「ドナーバンク」となっているとの疑惑について取材したもの。

  上映会に参加したスタンフォード大学医学部の心臓外科教授トーマス・バードン医師は、臓器強制摘出について知っていて、さらに問題を深く知るために上映会に参加した。「心臓移植に携わる医師として、提起された問題の意味がよく分かる。この事実を世界の医学界に広め、若い世代にも知らせなければならない」と述べた。

同大学医学部の救急救命医療研究員で、医療系財団「Organs R Us」の設立者でもあるジェフ・シャピロ氏は、高名な心臓移植医ノーマン・エドワード・シャムウェイ医師の助手を務めたこともある、臓器移植業界の事情に精通した人物。臓器強制摘出についても「多くの人々にとっては信じがたいことだろうが、私はこうした数字の意味するところを知っている。今この瞬間にも行われているだろう。このことはアメリカ人だけではなく、世界中の人々が知るべき」と、メディア関係者に語っていた。

臓器強制摘出にかかわったとされる警察、医療関係者らを取材した映画「人狩り」は2015年、米映像界最高栄誉のピーボディ賞、AIB(国際放送協会)国際メディアコンクール国際調査ドキュメンタリー部門の最優秀賞を受賞した。また、この問題の調査にあたったカナダ政府元高官デービット・キルガー氏と人権派弁護士デービット・マタス氏は、中国人権問題にスポットを当てたとして2010年のノーベル平和賞に推薦された。

同大学医学部放射線科のポスドク研究員・庄恵燕は、中国で法輪功学習者が迫害を受けているということを台湾で耳にしたことがあったが、臓器強制摘出については初耳だったという。「中国へ臓器移植を受けに行く人々がいるという話は聞いたことがある。それが、このような血塗られた行為により成り立つものだったとは」と驚きを隠せない。

元ソフトウェアエンジニアのビル・オルセン氏は、「今日知ったことを、友人らに全て伝えたい。より多くの人々にこうした事実を知ってもらえば、その人たちがまた、この事実を周囲に広めることができる。一日も早く、この犯罪を止めさせるべき」と力を込めた。

同様の映画上映会は11月30日、東京・八重洲で行われる。上映会には、来日するマタス氏が出席する予定。詳しくはお知らせを参照。

(翻訳編集・島津彰浩)

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