西日本旅客鉄道の高級旅客列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」が6月17日に運行を開始し、大阪駅と京都駅で出発式が執り行われた。
大阪駅の出発式では、テープカットが行われ、葉加瀬太郎氏によるオリジナル曲が放送されるなか、汽笛と共に記念すべき初列車が出発した。京都駅では、小学生約50人が元気に出迎える中「瑞風」が入線。同社執行役員京都支社長・三輪正稔氏が出発式を行い、山陰下り1泊2日コースに旅立つ「瑞風」と乗客を見送った。
三輪氏は式典のあいさつで「瑞風は以前運行していたトワイライトエクスプレスの伝統である、旅の醍醐味を引き継ぐとともに、『地域の魅力を発信する』という新たな役割を持った電車。風を感じる展望デッキ、上質な車内、素晴らしい食事、これらを含めて、まさに『動くホテル』です」と紹介した。
西日本旅客鉄道によると、「瑞風」第一期となる6~9月出発分の旅行代金は、1泊2日で27万~78万、2泊3日は50万~125万円。
同期の旅行受付は、募集368件に対して2022件の応募があり、最も人気があったのは最高倍率68倍に達した、6月21日出発、山陽・山陰(周遊)2泊3日分120万円のコース。
初列車の乗客のなかには、「瑞風」乗車の日に入籍し、新婚旅行目的だというカップルも。大阪府在住・小林あやかさんは同社インタビューに応え、「もともと、札幌発-大阪行の(旧)トワイライトエクスプレスで知り合い、それが縁で(結婚に至った)。「瑞風」の特別な一番列車に、新婚旅行で乗れることができ、本当にうれしく思います」と述べた。
「瑞風」のデザイン統括・インテリア監修は、企業の迎賓施設等の設計を数多く手がけ、京都迎賓館の設計にも携わった建築家でデザイナーの浦一也氏。「瑞風」について、コンセプトである「美しい日本をホテルが走る」を実現するために動いたチームの懸命な努力の結晶とたとえた。
「瑞風」はダークグリーンのボディに、どこか懐かしさをかんじさせる「ノスタルジック・モダン」を基調としている。大きな窓や開閉できる窓、人が出られるデッキなどを備える。内装には沿線の木材や備品を使用。旅客車両には、京都で数百年にわたり三千家の茶道具を制作している「千家十職」の茶道具を車内で展示する。
(編集・甲斐天海)
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