市場関係者は中国住宅市場では、賃貸用住宅が今後、主流になる可能性が高いと推測している。(Photo by Guang Niu/Getty Images)

上海の不動産市場に異変 供給土地は「賃貸住宅に限る」

上海市当局は4日、同市2件の住宅用土地について用途を「賃貸用住宅」に限定して供給すると明らかにした。住宅価格のさらなる上昇を抑制する狙いだとみられる。

今回売り出された2件の土地はそれぞれ、同市の嘉定区と浦東区にある。競売開始前、当局は今後70年間、分譲物件を建ててはいけないと開発業者に通知した。

上海市はさらに、7日に発表した2016~20年の住宅供給計画で、賃貸用住宅を多く提供する姿勢を示した。同計画では、170万戸の新規住宅のうち、賃貸住宅は70万戸、低所得者向け住宅は55万戸であるのに対し、分譲住宅は45万件にとどまってる。賃貸用住宅の戸数は同計画の6割を占めており、大都市では初の試みとなった。

こういった試みは上海市以外に、南京市でも行われた。南京市当局が最近、行った3回の土地競売で、不動産開発会社に対して、「販売してはいけない、譲渡してはいけない」との規定を示した。その期間は5~10年にとどまり、上海市の70年間は全国初となる。

中国国内メディアによると、北京市、広州市、天津市などの政府も、一部の土地について、不動産開発企業に対して、マンションを開発した後に「販売してはいけない」と求めた。

大中都市で実施されたこの一連の抑制措置から、中国の住宅市場で、賃貸用住宅が今後、主流になる可能性が高いと市場関係者は推測している。同措置の実行が拡大すれば、不動産市場、中国の経済成長に大きな影響を与える可能性がある。

 昨年12月、習近平主席は中央経済会議で、「住宅は住むためのもので、投機のためであってはならない」と発言し、今回の措置は政府のこういった方針を反映したものとみられる。

不動産企業の上海鏈家地産の市場研究部によると、同市の6月の住宅取引済成約件数が低迷している。新規住宅取引済制約件数は前年同月比で45%減少した。中古住宅の取引済成約件数も前年同月比約50%減となった。

 

(翻訳編集・張哲)

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