習近平政権2期目のスタートを切る直前に、政局の行方に対する予告とも読み取れる中規委の文章は憶測を呼んでいる。(Nicolas Asouri/Pool/Getty Images)

中国反腐敗当局が「変革」記事を掲載 行間に含まれたメッセージとは

18日の中国共産党第19回全国代表大会(19大)を控えるなか、党中央規律検査委員会は7日、「変革:革故履新 守正出新」を題とする文章を公式ウェブサイトに掲載した。習近平政権2期目のスタートを切る直前に、政局の行方に対する予告とも読み取れる同文章は憶測を呼んでいる。

タイトルにある「革故履新」は唐の時代の言葉で、「古いものを捨てて新たな段階に入る」という意味。老子の「道徳経」に由来する「守正出新」は「正しいものを守り、新しいものを生み出す」ことを表す。まとめれば、「過去を否定し、新たな変革へと邁進する」と解釈することができる。サブタイトルに「行間を読む」を意味する言葉「字里行間」が付けられている。

わずか800字あまりの文章は「変」と「革」の解説に終始した。解説は儒教の重要経典である「易経」と「礼記」に基づいて行われた。

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